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<皐月賞>波乱を呼ぶ穴馬2頭を馬券の達人が解説。カギはローテーションと厩舎の関係

horse racing on turf

写真はイメージ

 かつての競馬は前哨戦を使って本番へ挑む、というローテーションが定番でした。今週行われる皐月賞であれば、王道となるローテーションは弥生賞を使い皐月賞という流れ。しかし、近年は特に芝で馬場管理が進み時計の速い決着が多く、それに伴い一戦ごとの消耗がより激しくなりました。そのためローテーションが多様化し、前哨戦を使わずに本番を迎える馬を少なくありません。  今回は、前哨戦を使ったほうがいいのか、それとも使わないほうがいいのか。ローテーションについての疑問を解消していきたいと思います。ぜひ参考にしてくださいね。

間隔は詰めるべきか、あけるべきか

 まずは、近年でのローテーション別に成績がどうなっているのかをおさらいしておきましょう。 ■ローテーション別成績 連闘  勝率4.8% 連対率10.2% 複勝率16.6% 中1週  勝率6.5% 連対率14.2% 複勝率21.8% 中2週  勝率8.4% 連対率16.6% 複勝率24.6% 中3週  勝率8.0% 連対率16.3% 複勝率24.0% 中4週~中8週  勝率7.4% 連対率14.2% 複勝率21.6% 中9週~中24週  勝率7.1% 連対率13.8% 複勝率20.3% 中25週以上  勝率5.5% 連対率10.6% 複勝率16.2% (集計期間2019年1月5日から2022年4月10日まで 安井氏が独自に集計)  ローテーション別の成績では中2週が最も成績が良く、次いで中3週。ある程度近い間隔でレースに出走している馬のほうが有利という傾向が出ています。つまり、中央競馬では一般的である1開催で1走するのがベスト、という感じですね。ちなみに、中25週というとおよそ半年となるので、長期の休み明けは連闘した時の成績とほとんど変わらない結果となりました。  人間も同じですが、久しぶりに走ったりするとすぐに息が切れてしまうことは誰しも経験があると思います。競走馬も生き物ですから同じ。もちろん調教で鍛えることはできます。しかし、調教ではコース追いだと通常6ハロン(1200m)、坂路では4ハロン(800m)となりますので、短距離馬以外はレースと同様の負荷を与えることは難しいというのが実情でしょう。

G1は異なる傾向も外厩の影響が強い

 ただし、G1になると少し傾向が変わってきます。 ■ローテーション別成績(G1限定) 連闘  勝率0% 連対率0% 複勝率0% 中1週  勝率0% 連対率0% 複勝率0% 中2週  勝率3.8% 連対率8.9% 複勝率13.1% 中3週  勝率4.7% 連対率8.5% 複勝率14.1% 中4週~中8週  勝率5.9% 連対率13.5% 複勝率20.3% 中9週~中24週  勝率11.8% 連対率18.1% 複勝率26.0% 中25週以上  勝率5.6% 連対率16.7% 複勝率22.2% (集計期間2019年1月5日から2022年4月10日まで 安井氏が独自に集計)  間隔が詰まったローテーションの成績が軒並み低下し、最も好走しているローテーションは中9週~中24週。次いで中25週以上となり、先ほどとは違って1か月以上の間隔をあけている馬の方が好走率は高くなっています。  ただし、1か月以上の間隔をあけて好走している馬の多くはノーザンファーム生産馬だ、という事は意識しておく必要があります。  同生産馬の場合、ノーザンファームしがらきやノーザンファーム天栄といった施設の充実した外厩で調整することができます。休み明けの仕上げに関してのノウハウが高く、仕上げに抜かりなしと判断して問題ありません。
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休養明けで皐月賞に出走する競走馬は
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各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

安井式上がりXハロン攻略法安井式上がりXハロン攻略法

(秀和システム)


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