その5　怒る暇があるなら特徴を知る努力 　そして、もっとも重要なことは「騎手に怒りや不満をぶつける暇があるなら特徴を知る努力をするべき」ということです。 　騎手には必ず特徴があります。例えば川田騎手であれば、どんな時でも強気に前に行ってくれます。デムーロ騎手はゲートが得意ではなく、よく出遅れますが、その後マクって差し切る派手なパフォーマンスで魅了してくれます。田辺騎手はいつでもマイペースで時には無気力に見えますが、脚を溜めるのが上手で末脚を引き出すのが上手いです。 　レースを観察していると、各騎手の動きにはクセがあることがわかります。そのクセを理解すれば、これまでは怒りに震えた騎乗も、むしろ上手く利用できるようになるはずです。 　念のために付け加えますが、騎手に対して怒ることがすべて悪いわけではありません。当然、無気力な騎乗や油断騎乗といったものに対しては相応の制裁が科されるべきですし、正しい分析の上でそれに伴う批判はあって良いでしょう。しかし、掲示板やSNSに悪口や腹いせを書き込むなどは論外。命がけで騎乗しているということは、常に心の片隅には入れておきたいものです。 　奇しくも3月にデビューした新人騎手の一部は早くもSNSを開設しています。決して直接不満などを伝えたりしないよう、私たちも騎手について理解し勉強する。それが、騎手とファンとの良き関係、そしてなによりアナタの馬券収支につながることなのです。 文／TARO
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。12月5日に最新刊『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』（オーパーツ・パブリッシング）が発売になった。著書は他に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』（ガイドワークス）、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』（扶桑社）が発売中。