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『シン・エヴァ』を巡って再び大論争。4回目の鑑賞で気づいた本当の結末

ATフィールド、使徒、人類補完計画……’95年のテレビ放映から謎が謎を呼び、20世紀末に社会現象となったエヴァンゲリオン。’07年からの新劇場版4部作もついに完結だが、その結末を巡ってまたも論争が起きている――。 ※本記事には『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のネタバレが含まれます。 エヴァ

3つの異なるエンディング

 TV版最終2話は、モノクロの線画に、主人公の自己探求が続いて幕切れに。残された謎を明らかにするため、’97年旧劇場版が公開されるも、今度はヒロインのアスカが残したラストの言葉が「オタク」批判か、と賛否が分かれる。  そして公開中『シン・エヴァ』は一見、大団円のラストだったが、それゆえに納得できないファンも……。

今、エヴァを卒業できなくてもいつかその日はやってくる

「さらば、全てのエヴァンゲリオン」のコピーとともに、緊急事態宣言下の3月8日に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の快進撃が止まらない。  ’07年から始まった新劇場版4部作『序』『破』『Q』のラストを飾り、すでに興行収入はシリーズ最高の60億円を突破。’95年のテレビ放送から25年がたっても庵野秀明監督が手がけるエヴァは新たなファンを獲得し続けているのだ。  聖書、生命工学や心理学の用語が飛び交う虚実を織り交ぜた世界観、心の傷を持ちながら存在意義を模索するキャラたち、岡本喜八、黒澤明の活劇を彷彿させる目まぐるしいアクションシーンなど、エヴァの話題は尽きないが……常に賛否が分かれるエンディングは、『シン・エヴァ』でも再び大論争を巻き起こしている。 「壮大なエヴァの物語を終わらせたのですから、もう感謝しかありませんが……長年のファンのなかには裏切られたと感じる人もいるようです」  そう話すのは、’86年生まれの若手映画監督・松本純弥氏だ。彼は『カメラを止めるな!』でメガホンを取った上田慎一郎監督の友人で、上田氏がエヴァ全作品の観賞に挑戦するYouTubeチャンネルの企画に“エヴァオタ”として登場し、自らのエヴァ体験を交えた解説が好評を博している。
エヴァ

映画監督・松本純弥氏

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「僕はシンジくんの涙に救われていたのに!」とショック
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