飲んじゃいけないアルコールに注意!コロナ禍で増える意外なお酒のトラブル
11月23日、ロシアで手指消毒液を飲んだ9人のうち、7人が死亡、2人が昏睡状態に陥りました。ロシアでは貧困によりお酒を購入できず、このような事故が時々起きています。2016年には、シベリアで入浴剤を酒代わりに飲んだ住民のうち、49人が死亡するという事件が起きました。
BBCは、ロシアでは消毒薬や入浴剤だけでなく、ローションや香水、不凍液、ウィンドクリーナーなども飲まれていると報じています。
なぜお酒を欲しがっているのに、これらを飲んでしまうのでしょうか? それは、広義のアルコール類が入っているからです。アルコールにはいくつかの種類があるのですが、アルコールの匂いがするのは、メタノール(メチルアルコール)とエタノール(エチルアルコール)の2種類です。どちらも沸点が低く、水溶性で、燃えやすく煙が出ません。
最大の違いはエタノールは毒性がなく、メタノールは毒性があることです。つまり、お酒に含まれているアルコールとはエタノールのことを指します。
エタノールを飲むと、肝臓でアセトアルデヒドに分解され、その後、酢酸に分解されます。一方、メタノールを飲むと、ホルムアルデヒドとギ酸に分解されます。このギ酸が猛毒で、視神経を冒してしまうのです。
このメタノールは、燃料のほか工業用としてさまざまな製品に使われています。それが、消毒液や入浴剤、不凍液などです。メタノールを飲んでも目に影響が出てくるまで、一晩から二晩かかります。そして、飲めば酔うので、被害が大きくなりやすいのです。
メタノールを飲む事故はロシアだけでなく、世界中で起きています。しかも今年のコロナ禍が理由で、事故件数は増えているのです。
2020年3月、イランではメタノール中毒により800人以上が死亡しました。これは、高濃度のアルコールを飲むと、コロナウィルスを除去できるというデマが広まったことが原因です。お酒はすぐに市場から売り切れ、悪徳業者がメタノール入りの酒を売りまくったのです。
さらに、2016年には日本でも事件が起きています。離婚話が持ち上がって夫に不満を抱いた妻が日本酒に燃料用のメタノールを混ぜ、夫を死なせてしまったのです。
飲んでもいいアルコールと飲んではいけないアルコールの違い
コロナ禍で増えるメタノールを飲む事故
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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