とは言え飲み屋なので、いろんな人が来ます。常識がなく、店やほかの客に迷惑をかけるシーンもたくさん見ました。当然好かれるわけがないので、徐々に居心地が悪くなり、そのうち来なくなります。その人にとっては店が悪い、となるのでしょうが、自分が原因なのでどの店でも受入れられません。夜の町を放浪して、陰口を叩かれているのは寂しいものです。 　横柄な態度を取らない、スタッフや他の客にマウンティングしない、ボディタッチをしない、カウンターで寝ない、などの常識は守りましょう。 　カラオケのある店で気持ちよくなってリクエストしまくり、マイクを離さないというのも嫌われます。ほかの人が歌っているのに、その前を通ってトイレに行くのも態度が悪いです。通る際も手拍子や拍手をして、3：7くらいの割合で盛り上げに回るほうがスマートです。 　色恋に関しては今回は触れませんが、キャバクラのような接待を求める人がいると空気が悪くなります。マシンガントークでママを話さず、ほかの客とは一切絡まない、と言う人がいます。ニュースナックではさらに遭遇の頻度が高く感じます。スナックは大人の社交場なのでスマートに飲みたいところです。 　ケチなのも当たり前ですが、嫌われます。セットであれば問題ないのですが最も安いお酒を1杯頼んで、閉店まで粘ったりするのは邪魔にしかなりません。逆に、閉店間際に来て、あわよくばアフターで一緒に帰ろうとするのも見透かされているので、効果は出ません。意味がないので避けたほうがよいでしょう。 「元カノに似てると言われてもリアクションに困るので、やめたほうがいいと思います」と話すのは五反田にある「コワーキングスナックCONTENTZ分室」のサエママです。 「芸能人の悪口を言い続ける人がいますが、それしか話題がないのかな、と思ってしまいます」とは亜希子さん。 　繰り返しになりますが、常識を持った人が飲むのであれば基本的に楽しめます。人との交流はとても楽しいものですし、常連になれば自分の居場所にもなります。料金も比較的安いお店が多く、通うのも負担になりません。もし、空気感が合わないようであれば、さくっと会計して次の店に行けばよいだけです。 　スナックの客層としては30代は若いのですが、早すぎるということもありません。自分に合う店を見つけられれば、人生が少し豊かになります。今日行くべし！　とは言いませんが、30代が行くとこではない、と思い込む必要もないでしょう。チャンスがあれば、ぜひスナックにクデビューしてみましょう。
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる