ハンカチ王子だけじゃない。期待外れのドラフト1位たち、パリーグ編
いよいよ本日開催されるドラフト会議。前回のセ・リーグ編に続き、今回は期待外れのドラフト1位・パリーグ編をお届けする。まずは3年ぶりのリーグ優勝へ待ったナシの福岡ソフトバンクホークスからだ。
コンスタントにドラ1が活躍している福岡ソフトバンクにあって、最大の失敗例は16年の大卒右腕・田中正義だ。最速156キロを誇り、ドラフトでは5球団が競合した超目玉の即戦力投手のハズが、過去3年間で1軍登板は11登板のみ。それもこれも相次ぐ右肩の故障と体調不良が原因なのだが、それでも昨年までの主な通算成績が14回1/3を投げて被安打19、0勝1敗15奪三振で防御率は8.16というのはあまりに酷い。今季は正念場になるのだが、もう10月末だというのにいまだに1軍登板ゼロでは弁明の余地もないだろう。
一方、野手では10年の高卒捕手・山下斐紹だ。高卒捕手は確かに育成するのに時間がかかるが同球団に在籍した17年までで最も多く出場した1軍での試合数は16年のたった13試合。その間に“カイキャノン”の甲斐拓哉が台頭したこともあって、17年オフに東北楽天ゴールデンイーグルスにトレードされてしまった。同球団での1軍成績は7年間で37試合に出場して打率2割5分、0本塁打、1打点で盗塁阻止率は0割という数字が残っているが、移籍先の東北楽天では昨シーズン、キャリアハイとなる3本のホームランを放っている。
次は福岡ソフトバンクとの優勝争いから後退した感のある千葉ロッテ。17年からの3年間のドラ1はすべて高校生を指名しているが、それ以前は大卒・社会人の投手が目立っている。その中で期待ハズレだったのは16年の佐々木千隼。
前述した福岡ソフトバンク・田中の抽選に外れた球団など計5球団が外れ1位で指名し、なんと外れ1位指名選手としてはドラフト史上最多となる“5球団からの再指名”という快挙を達成した逸材だった。だが、昨年までのプロ3年間で1軍登板わずか22試合、6勝8敗、防御率3.76とまさに“ハズレ1位”となってしまった。
この佐々木ほどではないが、11年の藤岡貴裕も微妙だった。菅野智之(読売)・野村祐輔(広島東洋)と並ぶこの年の“大学BIG3”と称されたものの、千葉ロッテに在籍した6年間での通算防御率は5.79で挙げた勝ち星はわずか21勝。逆に黒星は30あり、貯金を作れたシーズンはゼロに終っている。18年のシーズン途中で北海道日本ハムファイターズへ、さらに昨年途中には読売ジャイアンツへとトレードされている。
福岡ソフトバンクホークス ドラフトで5球団が競合した即戦力投手
千葉ロッテマリーンズ 外れ1位はある意味、“ハズレ1位”?
【関連キーワードから記事を探す】
「アスリートは聖人君子である必要はない!」柔道男子100kg級代表ウルフ・アロンが“本音”を語る理由
スポーツから学んだチームプレイ、ロジカルな思考力。アスリート人材が社会に出てからも活躍するワケ
「バドミントン選手⇒人材会社経営」元アスリートが引退して気づいた“セカンドキャリアの難しさ”
バイリンガルは絶対にやらない「“英語が苦手な人”特有の頭の使い方」
暑い日には何を飲むのがいい? スポーツ医学から見る「最適な夏の飲料」とは?
野間口、辻内…巨人のドラフト1位で「継続して活躍できなかった選手たち」
ロッテ、ヤクルト、西武の日本一早いストーブリーグを予想する
阪神、広島、オリックス。日本一早いストーブリーグを予想する
“坂本勇人”だけじゃない…読売巨人軍、育成ドラフトの注目選手たち
プロ野球ドラフト会議、現場に流れた“別の思惑”「甲子園がなくてよかった」
日本ハムの球団運営を2軍から支えていた斎藤佑樹。その驚くべき功績をデータで読み解く
斎藤佑樹が“3年以上勝ち星なし”でも現役続行できる理由を数字で見てみる
ハンカチ王子だけじゃない。期待外れのドラフト1位たち、パリーグ編
斎藤佑樹の引退報道で振り返る、豊作だった“ハンカチ世代”の選手たち
“あと3勝”で通算200勝の田中将大以外にも、名球会入りする選手が続々と登場する可能性も。セ・パ両リーグで「今年達成されそうな記録」まとめ
「今年こそは完全優勝する!」横浜DeNA・三浦大輔監督が語る「最弱チームはなぜ生まれ変われたのか」
「日本はアメリカの野球を変えている」メジャーリーガーが真似できない、日本人投手の“脅威の能力”とは?
「違法オンラインカジノ」では“プロ野球ペナントレース”も賭けの対象に…。“自己申告頼み”のNPBでは沈静化できない
田中将大、巨人入団で“神の子復活”への「2つのカギ」。“菅野似”投球フォームに「魔改造」で通算200勝達成なるか
この記者は、他にもこんな記事を書いています