42歳日雇い男には別れた妻と二人の子供がいた…離婚を決意した理由
―[42歳日雇い派遣男のリアル]―
まったくお金にならない小説を書きながら、日雇い派遣の仕事などで食いつなぐ日々。そんな僕でも過去に結婚していた時期があった。
「小林君は結婚してるの?」
日雇い派遣で一軒の飲食店で働いていたある日のこと。休憩時間中に同じ派遣の福田君(仮名)からそう訊かれた。彼は僕よりも十歳ほど年下でフリーエンジニアをしており、副業として日雇い派遣をしているということだった。
「してない。バツイチ」
「ふーん、それじゃあ、俺と同じだね」
「福田君もバツイチなの?」
「もうすぐそうなりそうなんだよ。離婚に向けて話し合いを進めている。お金に対する考え方がどうしても合わなくて」
「僕も似たようなものだよ。まあ、僕の場合、離婚の直接のきっかけは相手の浮気だったけどね」
「そうか、お互いに大変だな」
その日の仕事を終えると、僕は近くの適当なネットカフェに入った。そこが僕の寝床だった。板で仕切られているだけのフラットシートの個室ブースに入り、リュックからノートパソコンを取り出す。そして無料のお茶を飲みながら小説を書いた。パソコン画面の青白い光だけが灯る薄暗い空間にキーボードの音がカタカタと鳴り響く。
ひと段落したところで原稿を閉じ、パソコンの画面上に1枚の写真を開いた。澄んだ青空の下、水着姿の小さな男の子と女の子がビーチに佇んでいる。僕の2人の子供である。もう1年近く会うことができていなかった。
深夜に酔っ払って帰宅するタイ人妻
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
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