EV世界一はテスラモデル3! 2位でもない日産リーフはいったい何位?
隠れた重要ポイントは、バッテリーの寿命ではないだろうか。テスラは水冷のバッテリー冷却システムを持つので(リーフは空冷)、ある調査によると、25万㎞走っても容量低下は10%以下だという。対するリーフは、使い方によって異なるが、10万㎞走ると最大30%低下すると言われ、それだけ航続距離が短くなる。テスラはバッテリー交換はまず必要ないが、距離を走ったリーフは中古車市場でメタメタの激安になる。
2年前に新型リーフが登場したとき、日産のスタッフはテスラとの勝負に自信満々だった。そのころちょうどテスラ社はモデル3の量産につまずいていて、経営破綻すら噂されていたので、「自動車生産のシロートに、品質を維持しての量産化なんかできるわけがない」と口々に語っていた。
が、その数か月後、テスラは量産を軌道に乗せ、あっという間にリーフを置き去りにした。正直なところ、もはやリーフは過去の存在になりつつある。
これは決して日産だけの敗北ではなく、既存の全自動車メーカーの敗北だ。なにしろそう遠くない将来、自動車はEVが主流になると言われてるんだから!
最後にもう1つの疑問。日本ではなんでテスラが売れないのか?
日本人は保守的で、テスラみたいな海のものとも山のものともわからん怪しい商品には飛びつかないのだろう、たぶん。これは日本人全体の敗北かもしれない。
【結論!】
日本ではいまだにテスラに関する報道は否定的なものが大部分。「いつ破綻するか」と期待している。が、テスラは破綻が噂されるたびに危機を乗り越え、先日は株式時価総額でトヨタに迫った。そろそろテスラを認めないとしょうがないだろう。

エンジンはなくモーターで駆動するテスラは、前も後ろもご覧のとおり荷物入れ。中に乗ってもゴチャゴチャしたものはなく、とってもシンプル。エアコンやらクルマの設定やら、なんでも大きなディスプレイで操作するので、普通のクルマにあるスイッチの類がほとんどありません



―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中 1
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