“荒れる”で有名な北九州市の成人式に密着。派手な見た目の彼らは意外に…
毎年、この季節になるとテレビなどでも「荒れる成人式」のニュースが取りざたされるのが恒例となっている。また、オトナたちの目にはどうかしているようにしか思えないほどに晴れ着を個性豊かに着こなし、ハロウィンのような様相を呈している地域もある。
その元祖であると同時に最右翼でもある北九州市の成人式。令和初の成人式で「現代の奇祭」とまで呼ばれる北九州の式はどうなっているのか取材。会場は北九州メディアセンター。小雨の降る中、早くから新成人たちが集まって来ていた。
他の自治体の成人式にも、派手な人は多い。しかしここ北九州の成人式の特徴は、多くの人が自分の名前がデカデカと書かれた幟旗を持っている。ここにはまだ「個人情報」という概念が入って来ていないようだ。
そして、集団で「ハ!ヤ!ト!ハ!ヤ!ト!」と、誰かの名前を叫ぶ声が近づいてくる。そのハヤトこそが、レインボーの彼だ。旗にはやはり自分のフルネームが書かれている。新成人としての抱負を聞いてみると、名前の横に書かれた「安産祈願」という文字を指差して「まぁ!そういうことたい!」と高らかに叫んだ。子供ができたのかと聞いてみたが「そんなん、できとらん!」だそうだ。
IQが高すぎて私には理解ができなかった。
ハヤトの後方にいた、全身ハート柄の新成人に声をかけてみる。今日のために作ったというファンシーないでたちのテーマは「愛を分け与えること」だそう。見た目のパンチはすごいが心はマザー・テレサだ。
オトナとしての目標も「10代の頃より稼ぐこと」とかなり控えめ。数年前、「人は見た目が9割」(新潮社)というヒット書籍があったが、その著者は彼を見てどう思うのだろうか。
こちらも旗を携えた2人組はフクダさん(右)とツカサさん(左)。強面だがマスクをしていてもイケメンであることがわかるツカサさんに、今日の衣装のテーマを聞いてみると「これ鶴が入ってるんっすけど、親に恩返しの気持ちで」と語ってくれた。鳶職をしているそうでハタチの抱負を聞いてみても「仕事を頑張りたい」と、いたって真面目な返答が帰って来た。
その間、隣のフクダさんはずっと「ホウフっちなんですか?ホウフ?」と惑っていた。知らないことを知らないと言えるのがオトナへの第一歩だ。
中学の同級生で衣装を揃えて来たという一団は、出で立ちだけでなくその人数からもかなりの威圧感を発していた。勇気を出して声をかけてみると、写真にも快く応じてくれた。
そのうちのひとりにリーゼントのアップの写真をお願いすると「俺も撮ってください!」と次から次へとカメラにリーゼントを見せつけるように近寄ってきて、アフリカの子供たちにテレビカメラを向けた時のように全員でカメラを取り囲んだ。
端から見たらリンチされているように見えたかもしれない。同じように衣装を揃えた一団はほとんどが中学の同級生であった。
旗を持つという文化
愛を振りまく男
ヤンキーは義理堅いぜ!
リーゼント自慢
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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