「2019 ユーキャン新語・流行語大賞」が12月2日に発表され、「軽減税率」「#KuToo」「タピる」などノミネート30語のなかから年間大賞にラグビーW杯日本大会のチームのスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」が選ばれた。だが、その本家には“大人の事情”で漏れてしまった言葉も多数あるだろう。そこで今回は、真に「世相を表す」ワードをジャンル別にSPA!が決める。今回は「二丁目編」。新宿二丁目での流行語とは?

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流行語 TOP10<二丁目編>
●選者/太陽氏
二丁目に詳しいネットウオッチャー。毎年トーク「二丁目流行語大賞」を開催
1位 見くびらないで!
美容整形に9000万円以上をかけた整形男子アレンの言葉。「上品と下品が絶妙に混在した“アレン語”が二丁目でウケました」
2位 わんわん! シベリアンハスキーだわん!
「あるゲイが『自分はシベリアンハスキーに似ている』と、かわいさアピールのために発したこの言葉がなぜか流行しました」
3位 杉田水脈ウオッチャー
去年問題になった「LGBTは生産性がない」発言を謝罪したが、「街には彼女の言動を逐一監視している人たちも」と太陽氏
4位 パレードのパンツ論争
「東京レインボープライド2019」にパンツ一丁など露出の多い格好での参加をめぐり、LGBT当事者からも規制を求める声が
5位 昭和割り増し
二丁目のクラブで行われた、平成生まれが主流の同窓会的イベントで、自己申告ながら「昭和生まれは割高」が問題に
6位 『きのう何食べた?』
ゲイカップルの日常生活を描いた漫画が西島秀俊、内野聖陽のダブル主演でドラマ化。ドラマと同じ料理を出す店も登場した
7位 カツマー破局
勝間和代と増原裕子が破局。二丁目では「次に増原さんが落とすのは上野千鶴子か!?」など、勝手な予想(妄想)合戦も
8位 シリヌール
SNSをきっかけにゲイやノンケの垣根を越えて話題になったクリーム。「Amazonでも一時的に売り切れになったくらい」
9位 マティーン王子
即位礼正殿の儀で来日したブルネイ王国のマティーン王子のイケメンぶりに、二丁目でも「妄想が止まらない」と話題に
10位 iPhoneのせいで同性愛者になった
ロシア人男性がiPhoneアプリで入手したLGBT向け仮想通貨に誘導され恋人をつくる。結果「ゲイにされた」とAppleを起訴
世界有数のゲイタウン、新宿二丁目で今年頻繁に使われたのは、“整形男子”としても有名なアレンの「見くびらないで!」。毎年、二丁目の“流行したもの”を題材にしたイベントを開催するネットウオッチャー・太陽氏は、「上品と下品の絶妙なハーモニーの“アレン語”が二丁目のゲイにハマった」と語る。
時代の変化にも二丁目は敏感だ。
「10月の即位礼正殿の儀で来日したブルネイ王国のマティーン王子が『イケメンすぎる』と話題になりました。ただブルネイは同性愛にとても厳しく、所詮叶わぬ恋なのです……」と、妄想は尽きない。
ただ、こんなトラブルも。
「平成生まれがメインの二丁目のクラブイベントで、昭和生まれは入場料が高い“昭和割り増し”が適用。自己申告制でしたが、一部の昭和生まれから反感を買いました」
11月は経済評論家の勝間和代破局の話題で持ちきりだった。
「『増原さんが次に落とす大物は誰!?』と皆好き勝手に予想している。多様性の裏側で、論争、炎上に事欠かない二丁目は社会の縮図です」
<取材・文/週刊SPA!編集部>