東京五輪マラソンを札幌で開催するメリットをMGC観戦から考えてみた
~第74回~
フモフモ編集長と申します。僕は普段、スポーツ観戦記をつづった「スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム」というブログを運営しているスポーツ好きブロガーです。2012年のロンドン五輪の際には『自由すぎるオリンピック観戦術』なる著書を刊行するなど、知っている人は知っている(※知らない人は知らない)存在です。今回は日刊SPA!にお邪魔しまして、新たなスポーツ観戦の旅に出ることにしました。
東京五輪の現地観戦を目指し、穴場競技を探訪している当連載がかねがね穴場と期待をかけているのがマラソンです。観戦できる、できないで言えば絶対にできる沿道からのタダ見種目。チケットが不要で、とにかくコース沿道まで行けば見られるというのは大変ありがたいことです。
これまで東京五輪の予定コースと大体同じコースで行なわれる東京マラソンをテストケースとしていかに充実の観戦体験ができるかを追求してきましたが、さらに本番を想定した条件でリハーサルができる機会がやってきました。それが9月15日に行なわれたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)です。
新国立競技場が完成していないため、一部のコースは本番想定のものとは異なりますが、大体同じコースでの「試走」は絶好のリハーサルとなるはず。東京マラソンで経験を積んできた、電車で移動しながら何度も選手を応援する「移動観戦」も、本番を想定しての真剣勝負に出発です。
東京五輪本番では午前6時のスタートとなる予定のマラソンですが、9月中旬という時期もあってMGCのスタートは午前8時50分。しかし、台風15号通過後の暑さの戻りもあって、当日スタート時刻の気温は約25度となかなかの陽気です。まさかこの暑さがコチラにも影響を及ぼすことになろうとは……。
スタートを見送ると、選手たちがゴールに戻ってくるまで約2時間手持ち無沙汰となります。そこで「移動観戦」という考えが出てくるわけですが、この日はMGCならではの難しさがありました。まず、男女のレースのスタート時刻にズレがあり、男子のほうがペースが早いため、時間が進むごとに男女の距離差が開いていくのです。
しかも、この日は男子の設楽悠太選手が1キロ3分を切るハイペースで単独の逃げを打っており、設楽選手と男子の2位集団の間にも2分ほどの差ができています。そこから女子の集団とは30分ほどの差がある縦長の展開。折り返し箇所が多いことを利用して、どこまで効率よく移動観戦ができるのか、テレビ・ラジオでレースの様子をチェックしながら頭もフル回転です。
まず目指したのは13キロ地点と浅草寺から折り返しての17キロ地点を一度に観戦できる浅草橋。こちらはスタート地点である神宮外苑・信濃町駅からJR総武線で直行できる場所。1キロ3分のペースなら男子が午前9時40分ごろに17キロを通過し、女子が1キロ3分半のペースで午前9時50分ごろに到達するはず……でした。
しかし、実際は男子の先頭は1キロ3分を切るハイペースで逃げており、女子は若干スタートが遅れたため、机上の計算よりも展開はさらに縦長となっていました。そのうえ、スタート地点から信濃町駅へ移動する際に、コースを横断した反対側の沿道にいたため、横断規制に引っ掛かってしまっていたのです。そのため浅草橋に到達した時点で男子の先頭グループはとっくに通過してしまっていました。むー、いきなりの大失態です。
MGC観戦で東京五輪マラソン観戦をシミュレーションしてみた
複数の場所で観戦する「移動観戦」にチャレンジ
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