カジュアルに楽しめるりんご酒「シードル」のすすめ
― 第64回 ―
今回は「シードル」というお酒を紹介します。一言で言うと、りんごから作られる醸造酒です。麦を醸造するとビールになり、ぶどうを醸造するとワインになり、りんごを醸造するとシードルになるのです。シードルはフランス語で、英語ではサイダー、スペインではシードラ、ドイツではアップフェルヴァインと呼びます。
人間が食べていた世界最古の果物は、いろいろな説があります。ぶどうやイチジクに加えて、りんごもその最有力候補の一つで、食べ始めたのは6000年前とも8000年前とも言われています。
作り方は、熟したリンゴを洗浄して破砕し、果汁を搾り、タンクで発酵させて、お酒ができたら熟成させます。密閉型のタンクであれば、発生した炭酸ガスにより発泡性のシードルができます。ワインと同様、国や地域によって様々な製法があり、中には非発泡のシードルもあります。
もちろん、日本でも作られています。青森県や長野県など、りんごの名産地では、地元のりんごだけを使ったシードルが作られています。
2019年8月5日には、シードルのコンクールである「第三回 フジ・シードル・チャレンジ 2019」が開催され、国内外のシードル54点が参加しました。国内からはプラチナ賞をカモシカシードル醸造所の「Kamoshika cidre La 2e saison Doux」が獲得。金賞は奥羽自慢株式会社の「HOCCA cider」、アンワイナリーの「アンシードル(ドライ)」と「アンシードル(アンセストラル)」、アップルランド山の駅おとえの「Fukagawa Cidre Premium」、タムラファーム株式会社の「タムラシードル2ndドライ」、喜久水酒造株式会社「Kikusui Cidre Dry」と「Kikusui Cidre Method Traditional プロトタイプ2」などが獲得しました。
ワインのようにいろいろな種類があるシードルの魅力
シードルのアルコール度数は3~8%くらいで、ワインと比べると低いのが特徴です。ワインと同様、甘口から辛口まで様々なタイプがあります。瓶も、ワインやスパークリングワインのような瓶に入っているものから、ビールのような小瓶になっているものまで様々です。
青森、長野…日本でもりんごの名産地で作られているシードル
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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