東京五輪中の「首都高一律1000円値上げ」は、やりすぎじゃないのか?
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
来年の東京オリンピック・パラリンピック期間中(合計35日間)、首都高の都内区間について、「マイカーの日中(6時から22時)料金は一律1000円上乗せ」との案を東京都が示した。逆に午前0時から4時までは、ETC利用の全車種が半額となる。
今年7月24・26日の2日間、大規模な交通規制が試行され、交通量は一般道が4%減、首都高が7%減だったが、これでは不十分であり、首都高の混雑抑制には追加の対策が必要という結論になったという。現状はあくまで「案」であり、決定ではないが、大きな反対運動も起きていないので、このまま決定となる公算大だ。
一律1000円上乗せされるのは、普通車以下(軽や二輪を含む)の車両のうち、自家用車や社用車などの乗用車で、小型貨物車やタクシー(緑ナンバー)、自家用の小型貨物車(1や4ナンバー)、障害者車両は対象外。5ナンバーや3ナンバーのマイカーはすべて上乗せになる。
対象車両はどれくらいの割合かというと、首都高の走行台数の48%を占めている。48%の車両は、首都高の都内区間に踏み込んだ瞬間に、最低でも1300円課金されてしまうことになる。ふだん300円の区間が1300円になるのは強烈だ。
東京都に質問してみたところ意外な答えが……
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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