元妻ら7人からセクハラ・パワハラ告発された大物ミュージシャン。#MeToo旋風が音楽界にも
アメリカの音楽界を揺るがす大スキャンダルに発展するのだろうか。
ロックミュージシャン、ライアン・アダムス(44)に対して、元妻で女優のマンディ・ムーア(34)ら7人の女性が、過去に受けたハラスメントを「ニューヨークタイムズ」(2月13日)で告発したのだ。
ショッキングだったのは、当時未成年の女性とオンライン上で性的交渉を持った疑いもあることだ(アダムス自身は否定)。FBIがこの件の捜査に着手したため、アダムスの新譜発売が延期される事態になっているのである。
「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、元妻のマンディ・ムーアが訴えているのはパワハラ。「君は楽器を弾かない。だから本物のミュージシャンじゃない」などと言い放ち、アダムス以外の業界関係者との接触を禁じて、ムーアのキャリアアップを妨害したのだという。
アダムスがデビューのきっかけを作った、ミュージシャンのフィービー・ブリッジャーズ(24)は、同様の嫌がらせとセクハラの被害を語っている。ホテルの部屋に呼び出されると、彼が真っ裸で待ち構えていたそうだ。
一連の告発に、かつてアダムスとツアーを回った経験のあるカレン・エルソン(40)も反応した。自身のインスタグラムに、「あれはいまでもトラウマになってるわ」と投稿したのだ。(※現在は削除されている)
こうした動きを受け、当のアダムスもツイッター上で声明を発表した。「自分は完璧な人間とは言えないし、間違いも犯してきた」と、謝罪している。一方で、彼女たちの話には不正確で誇張された側面もあるとし、詳細については争う意向も示している。
FBIの捜査の行方も含め、しばらくは事態を見守るしかなさそうだ。
とはいえ、このような男性ミュージシャンのゲスでクズな行いは、決して珍しいものではない。記憶に新しいところでは、今年1月、レディー・ガガ(32)がR.ケリー(52)とのデュエット曲「Do What U Want」の音源とビデオを削除する“事件”もあった。今年1月、米国のケーブルテレビが、R.ケリーの性的暴行疑惑などを告発するドキュメンタリー番組を3夜連続で放送したことを受けての対応だった。
確かに、彼らの行いは決して褒められたものではないし、必要ならば社会的、法的に制裁を受けるべき愚行なのだろう。
だが一方で、話を分けて考える必要も感じるのである。つまり、人格の引き起こした罪を裁くのに熱中するあまり、豊かな素養をなきものにする必要まではないということだ。
シンガーソングライターのジェニー・ルイス(43)は、アルバム『The Voyager』(2014年)の制作にあたり、ツイッターで直接ライアン・アダムスにメッセージを送ってプロデュースを依頼した。その際、彼の的確な判断力と、迅速な決断によって、楽曲が見る見る研ぎ澄まされていったのだという。
「彼はよくこう言ってたわ。“ったく、こんなかったるいミーティングなんてやってらんねえよ。とりあえずそこはEマイナーでも弾いとけ”ってね。そしたら実際にうまくいったの」(『billboard』電子版 2014年7月28日 筆者訳)
未成年とのビデオチャットでFBIが捜査をスタート
R.ケリーは性的暴行疑惑をドキュメンタリー番組で告発された
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