クラウドファンディングでトラブルが起きても炎上させないコツ
ここ数年、日本でもクラウドファンディングは市民権を得て、達成額が1億円を超えるプロジェクトも珍しくはなくなった。しかし、リターンの発送遅延やプロジェクト自体が破綻したりと、起案者と支援者との間でトラブルになるケースも、数多く見受けられるようになった。クラウドファンディングを実施し、成功させた経験のあるライターのクーロン黒沢氏に、クラウドファンディングを円滑に進めるためにはどうしたらいいのか話を聞いた。
「私が‘16年に実行したクラウドファンディングは、カンボジアのスラム街に住む、全盲かつド貧乏な日本人中年男性を、絶体絶命の状況から救うためのものでした。クラウドファンディングサイト、Camp-fireに持ち込んだ案件ですが、ぶっちゃけ男性は元犯罪者でした。これを隠してお涙頂戴の感動物語に仕上げるという手もありましたが、彼がどれほどムチャクチャな環境に暮らしているか動画で見せて判断してもらおうと、あえて真実を訴えました」
支援者は当初、黒沢氏が主催する雑誌の読者が中心だったが、家入一真氏がTwitterで呟いたことで、40日で44万円強の資金が集まることになる。
「男性の状況をマメに報告したり、支援者の方たちを飽きさせないよう努力しました。しかし、この男性は引っ越し後すぐ亡くなってしまい、返金も考えましたが、支援者と話し合いの末、埋葬されたプノンペンのスラム寺に彼のセメント像を奉納することになりました」
黒沢氏はクラウドファンディングを円滑に進めるコツは「無理をしない」ことだという。
「ネット上は優しい人たちばかりではない。彼らを楽しませつつ、無理のないリターンを設定することが重要です。それとマメな情報更新でしょう」
クラウドファンディングのお金はまだ残っているという黒沢氏。来年迎える男性の3回忌には獅子舞を呼ぼうと考えているという。
【クーロン黒沢氏】
ノンフィクションライター。カンボジア在住。アジアを舞台にしたアングラ旅行記を執筆。電子書籍『シックスサマナ』を主催する
取材・文/SPA!編集部
※『週刊SPA!』10/2発売号「クラウドファンディング詐欺急増中!」より
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