丸山ゴンザレスが見た「ニューヨークと歌舞伎町の共通点」とは
「ニューヨークは日本でたとえるなら歌舞伎町と同じ匂いがする」
そう話すのはテレビ番組「クレイジージャーニー」で人気の危険地帯ジャーナリスト、丸山ゴンザレス氏。とはいえ、ニューヨークといえばビジネスはもちろん、ファッションやアート、音楽など、最先端の街として憧れの目で見られている。
そんなニューヨークが歌舞伎町と似ているとはどういうことなのか。世界中の危険地帯を取材した経験をもとに、独自の視点で最先端の街を切り取った新刊『GONZALES IN NEW YORK』(イースト・プレス刊)を上梓したゴンザレス氏に、ニューヨークの「裏の素顔」を聞いた。
これまでクレイジージャーニーのなかでもたびたびアメリカを訪れているゴンザレス氏。本来はアジアやアフリカなど、いわゆる発展途上国の危険地帯を訪れている印象が強い。そもそも、なぜニューヨークに足繁く通おうと思ったのか。
「子どもの頃から映画やドラマを通してアメリカへの憧れがあったんです。でも、大学に入っていざ旅に出たのはアジア。お金があるわけではなかったので、単純に物価が安かったからです。行ってみたら楽しかったので、どんどんハマっていき……それが20代の旅だったと言えます。その頃にアメリカ留学をしたようなヤツらとも出会っていて、彼らは英語が堪能で、羨ましい気持ちはありました。もしも分岐点として自分がアメリカに行っていたらどうなっていたのか、考えることはあってもアメリカに行くっていう選択肢はありませんでした。変化があったのは30代に入ってから。一気に挽回するかのように年に数回、アメリカを旅するようになりました。いくつかの都市に行ったなかで、いちばん印象深かったのがニューヨークなんです」
その大きな理由のひとつが冒頭のセリフ「歌舞伎町と同じ匂いがする」だ。広域で見ると人口はおよそ2000万にもなるという。“人種のるつぼ”とも呼ばれるアメリカの巨大都市ニューヨーク。一見、華やかに見えるが、ゴンザレス氏の視点では深い闇があったのだという。
「理由のひとつとして、まずは、自分が仙台から上京したときに居住まいを正したような感覚を思い出して。いまの生活より物価が高いところに行くことって、最近はありませんでしたから。あと、ほかにも巨大な都市はありますが、1日もあれば見て回れる規模のところが多いので掘りがいがないんです。一方で、ニューヨークは密度が濃いこともあって全然見えてこない。それが、歌舞伎町を初めて訪れたときのようで……」
10年以上前のゴンザレス氏は、歌舞伎町を主戦場に取材活動を行っていた。いまでこそ外国人観光客も訪れる立派な観光地だが、当時は地回りのヤクザがいて、犯罪や違法行為をベースに成り立っている街だったのだ。
「警察が見回りを行っているにも関わらず、そのへんで普通にドラッグの売買がされていたり、売春があったり、なにをやっているのかわからない人が多かったり。すべてがごっちゃになっているのが不思議で仕方がなかった。そういった一筋縄ではいかない感じがニューヨークにもあるんです」

ニューヨークと歌舞伎町の意外な共通点


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ライター・編集者。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』(共に彩図社)など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ【最新版】』(辰巳出版)がある。Twitter:@gold_gogogo
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『GONZALES IN NEW YORK』 「クレイジージャーニー」で人気のジャーナリストが見た、“憧れの街"の裏側。多くの人種や職業の人が集まり、巨大な経済圏になっていれば、想像できる種類の犯罪や社会問題は必ずある。売春はあるし、ドラッグも頻繁に売買されている。マフィアもいるし、ギャングもいる。超セレブの家の近所に餓死寸前の貧乏人やホームレスがいたりする。おびただしい量のカオスを内包した巨大都市なのだ。 ![]() |
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