日本のエコカーの暗い未来「水素社会どころかEV時代すら来ないかも」と考える理由
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
ルノー日産連合は、ダイムラー(メルセデス・ベンツ)やフォードと共同開発する燃料電池車(FCV)の商用化を凍結し、今後、電気自動車(EV)に経営資源を集めるという。合理的な判断ではないだろうか。
燃料電池車は、究極のエコカーとも言われ、かつては多くの有力メーカーが量産化を最終目標にしていた。その筆頭はトヨタとダイムラーだった。その後トヨタは、世界初の量産FCVとしてMIRAI(723万円)を発売したが、もう一方の雄であるダイムラーを含む共同開発FCVの商品化が凍結されたのは、FCV熱の世界的な冷却を象徴している。
もちろんルノー日産連合も、FCVを見離したわけではなく、研究は続けるが、「当面の普及はない」と判断したわけだ。
私は以前から、FCV乗用車は普及しないと考えていた。水素ステーションなどのインフラの整備が進んでいないし、今後整備の減速も予測される。
3000台しかないFCVに対して100か所もある水素ステーション
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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