― 木村和久の「オヤ充のススメ」その212 ―

「
底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる」(イーストプレス)を上梓したカワノアユミさんを迎えての
対談パート2。こちら側は、キャバクラ評論家として「
50歳からのかろやか人生」(雷鳥社)を出しています。内容の多くはキャバクラに通う客の振る舞いを説明しています。というわけで、キャバクラ常連オヤジ客VS現役キャバ嬢の接客談義をしたいと思います。
キムラ:カワノさんって、新宿で長く働いていたんでしょう。どんな感じだったの? アフター大好きとか。
カワノ:実はダメダメキャバ嬢で、最初はよくクビになっていました。同伴とかも全然しなくてというか、デキなくて。
キムラ:メールとかしないの?
カワノ:さほどしませんね。だいたい誰も誘ってこないんですよ。
キムラ:え~可愛いじゃん。絶対モテるよ。
カワノ:そうですか? そういうときは、お客さんって、どうやってアプローチをするんですか。
キムラ:可愛い好みのコだったら、誉めて誉めまくるのみ。こんな美人見たことないよ。モデルやってない? 「キャンキャン」で見たような気がするんだけど。事務所はどこに入ってるの? もうすぐ有名人になるんだから、今のうちにサインもらっておこうかな、とかさ。
カワノ:うわ~凄い。なんか嘘でも言われると気持ちいいですね。じゃ、全く好みじゃないコが席についたら、なんて言うんですか?
キムラ:ねえちゃん、最近いつエッチしたの?
カワノ:うゎ~落差が凄すぎですね。(どん引き)
キムラ:最近はセクハラに対して厳しいから自粛してやってませんけど。昔は地雷系キャバ嬢には厳しかったよ。それはいいとして、カワノさんのダメっぷりはどうなのよ。
カワノ:私ですか。敵も作らないけど、味方も作らないというか。新宿は長くいたわりには、あまり覚えてないんですよね。
キムラ:それは、自分の居場所じゃないと思っていたからじゃないの。
カワノ:そうですね。そもそも人間関係ないですから、新宿時代は。
キムラ:つまり「ドラゴンボール」でいうところの「気」を消していたんだな。別な人格で生きてたのかも。それも処世術だよ。客側からしてみると、そういうキャバ嬢はとっつきにくいなあ。
カワノ:じゃ会っても指名しませんか?
キムラ:う~ん、10年前なら、外見で指名してたなあ。
カワノ:じゃ今は?
キムラ:話が面白いから、スナックのママとしては充分合格だよ。
カワノ:ありがとうございます。でもあの頃は、楽しみといえば、よくホストクラブに通ってましたね。
キムラ:そうなの? オヤジ好きじゃないんだ。イケメンの若者が好きってこと?
カワノ:雰囲気が好きでしたね。ホストクラブって、初回が安いじゃないですか。だから初回荒らしばっかやってて、飲んでました。
キムラ:初回でもねえ。ホストクラブ行ってちゃ、お金が貯まらないよね。
カワノ:だから行き詰って、海外に逃亡したんです。