東京五輪追加種目で注目の空手。聖地で見た人気とその裏にある問題点
~今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪 第57回~
フモフモ編集長と申します。僕は普段、スポーツ観戦記をつづった「スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム」というブログを運営しているスポーツ好きブロガーです。2012年のロンドン五輪の際には『自由すぎるオリンピック観戦術』なる著書を刊行するなど、知っている人は知っている(※知らない人は知らない)存在です。今回は日刊SPA!にお邪魔しまして、新たなスポーツ観戦の旅に出ることにしました。
押忍! 東京五輪で現地観戦できそうな穴場競技を探して物見遊山をつづける本稿ですが、今回は追加競技に正式に決定しました空手、そのなかでも特に「形」の競技を見てまいりました。この連載のなかでも一度空手の大会を覗いたことがありますが、その頃はまだ採用への運動を展開していた時期でした。正式決定を受けて穴場感は薄れているのか、念の為確認しておこうという気持ちです。
向かいましたは日本武道館。東京五輪本番でも空手の競技会場となる武道の聖地です。ここで行なわれました天皇杯・皇后杯第45回全日本空手道選手権大会がお目当て。天皇で皇后で全日本で武道館ですから格式としては最高峰でしょう。五輪本番を予見するに十二分なはずです。
しかもこの大会がありがたいのは、以前の記事で観戦した「組手」競技はもちろん、「形」競技も見られること。五輪追加競技となった空手は、ど突き合い(風の寸止めバトル)をする「組手競技」と、定められた形を演武する「形競技」の2種類があるのですが、その日本一をまとめて見られるのです。うむ、もう2018年なわけですから、ここで見た日本一はそのまま世界一の可能性も高いでしょう。視察のしがいがあります。
たくさんの穴場競技をめぐってくると、もはや会場に着く前に穴場かどうかわかるようになってきます。
最寄駅から会場への道のりを歩いている人の姿、持ち物などに滲み出る「今日は空手に行くぞ」という雰囲気。というか、普通にどこかの大会のジャンパーを着ていたり、連れている子どもが正拳突きをしていたり、明らかに空手一家みたいなのがゾロゾロ歩いています。
北の丸公園を通過して武道館に入る通路でも、先を急ぐ人の姿が多数。穴場どころかちょっと混雑しているくらいです。入口の外では選手をつかまえては即席の写真撮影会とかが始まっています。アカン。会場入りする前に、イイ感じの穴場の「その場にいる全員」に相当する数の人間を見てしまった。
それでも奮い立って会場入り。なかに入ると場外以上の混雑ぶり。武道館の通路の狭さと、やたら入口周辺にたむろしているスーツ姿の空手家(どうやらチケットのもぎりや、招待客の受付をしているもよう)のせいもあって進むのにも引っ掛かるほど。穴場でもなんでもないこの感じ、始まる前からガッカリです!
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