日本初の民間ロケット会社社長が明かす「世界最低性能ロケット」にかける思い
今年7月、「失敗」として大きく報道された「ホリエモンロケット」。堀江貴文氏も執心し、進められた打ち上げだったが、民間単独による国内初の宇宙空間到達はならなかった。そのロケットの開発から製造、打ち上げを行った日本初の民間ロケット会社「インターステラテクノロジズ」を率いるのが、30歳にして社長を務める稲川貴大氏だ。ホリエモンを「対等のパートナー」と呼ぶこの青年社長、いったいどんな人物なのか?
――今年の7月30日に打ち上げた「MOMO」初号機は、目標の高度100㎞に到達する前に不具合が発生し、高度20~30㎞程度で落ちてしまいました。報道では「残念ながら……」というニュアンスで伝えられましたが、当事者である稲川さんはどう評価していますか?
稲川:まずわかっていただきたいのは、別に「MOMO」を無事打ち上げることが最終的なゴールではないということ。当面の目標としているのは、軌道投入機と呼ばれるロケットで人工衛星を運ぶことで、前段階として観測ロケットの「MOMO」があります。7月の打ち上げは、その初号機の実証実験でした。高度100㎞を超えるという目標には達しませんでしたが、技術の実証としては多くのデータが取れました。その意味では十分な成果がありました。
――単に「失敗した、ダメだった」という話ではないんですね。
稲川:そうです。今の日本の技術開発って、特に税金を使っているプロジェクトでは、「絶対に失敗するな」って言われるんですけど、本当に理解ができません。研究開発は試行錯誤して、チャレンジングなことをやり、結果が出て、悪いところがあったらフィードバックする。その繰り返しのサイクルを速くして、革新的なものをつくりあげていくのが本来です。そこで「失敗するな」という発想が出てくること自体、根本的に今の日本の、特に科学技術系における間違った考え方なんです。
宇宙開発に“世界最高性能”なんかいらない
「絶対に失敗するな」という考え自体が間違いなんです
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