80年代に大ブームに!夏のチョメチョメ三大聖地といえば?
今の時代、夏とくれば、海なら「沖縄」、森なら「軽井沢」、ナンパするなら「恵比寿横町」あたりが定番の人気スポットなのではなかろうか。しかし! 30年以上も前、バブル前夜を駆け抜けた若者たちにとっての憧れの地“三大summer聖地”とは、間違いなく「与論島」「清里」「新島」であった。
「海」の与論島は、鹿児島県に属してはいるものの、奄美群島のなかではもっとも沖縄県に近い、面積約20平方キロメートルの島である
60年代には「日本最南端の楽園」「日本のハワイ、もしくはグアム」などの宣伝文句が売りとなり、多くの観光客が訪れたという。だが、1972年に沖縄がアメリカから返還されると、沖縄県内の観光開発が本格化。また、石垣島に航空機が就航したころから、与論島は「南の最果て」としてのお株を奪われ、客足も遠のいていった。
こうした状況に対応し、与論島では官民一体となるさまざまな観光振興への取り組みが成され、その一つが「若者客へのアピール」であった。お土産のペナントはポップにデザインされ、いかにも10~20代の男女が喜びそうなトロピカルスタイルのショップや飲食店、そして「スカイラブ」「エデン」「サザンクロス」といったディスコが建ち並び、やがて島内のオンシーズンは「海に囲まれた東京」と化していく。
交通手段は、飛行機で那覇もしくは鹿児島に行き、そこからフェリーが一般的。長時間閉じ込められた船内で(那覇から約5時間、鹿児島からだと約20時間)、早くも数組のニューカップルができあがっていたそう。
そんななか、利害が一致するウィンウィンの関係で暗躍したのが「学生ツアー」だ。読んで字のごとく「学生が主催するツアー」のことだが、しょせん半素人でしかないツアースタッフは、平気で片っ端から女性客に手を出し、男女の諍いやトラブルも続出だった……とも聞く。が、ツアー内では絶対的な権力者であったスタッフとのアバンチュールを、女性側も秘かに期待していたフシも見られ、酒池肉林を夢見るギラギラの大学生が仕切る有象無象の「与論ツアー」が雨後の竹の子のごとく誕生したのであった。

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大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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