ドラえもん、ガンダム、キン肉マン…テレビアニメの劇場版全盛期だった80年代を終わらせたアニメ映画とは?
サントラを耳にするだけで、ワンシーンを目にするだけで当時の記憶を呼び戻す映画がある。今日でも名画として愛される作品が数多く生まれた80年代、あなたにとっての特別な映画はなんですか?
80年代の邦画は同時代のテレビ業界と直結していた。角川春樹プロデュースによる、いわゆる“角川映画”の台頭(『セーラー服と機関銃』『Wの悲劇』など)をはじめ、テレビでおなじみのアイドルが主演する“アイドル映画”の出現(『ハイティーン・ブギ』『TAN TANたぬき』など)、続々スクリーン進出したテレビアニメ(『ドラえもん のび太の恐竜』『ヤマトよ永遠に』など)、さらにはテレビ局主導による動物映画の大ヒット(『子猫物語』『南極物語』など)。これらは、すべてテレビ業界の仕掛けに乗っかったものだった。
当時、メディアといえば、テレビか雑誌、という「電波vs紙」の媒体戦争のまっただ中。そこに載っているものは自動的に人気を得るという、単純なヒットの法則しかなかった。
加えて、パワフルな洋画勢の台頭によって邦画人気には陰りがあり、作家性の強い邦画は話題にこそなれど、ヒットは難しかった。それこそ『鬼龍院花子の生涯』や『楢山節考』などの名作が生まれた時代だが、それでもアイドルや動物、アニメにはかなわない、というのが興行成績にも表れてしまっている。
そんななか、異彩を放ったのが伊丹十三。『タンポポ』や『マルサの女』を社会現象にまでした天才映画作家の出現は、こういった流れの邦画界においてまったく違う色を放った。惜しいことにこういった映画作家が彼以降はいないのでは?
いや、一人いた。80年代後期に自身のスタジオ、「スタジオジブリ」を立ち上げた宮崎駿だ。ジブリ以前から『ルパン三世 カリオストロの城』などで話題をさらった彼が、自身のスタジオで放った3作目『魔女の宅急便』で、ついに年間ランキングのトップを記録。テレビアニメの劇場版全盛だった80年代を終わらせたのは、その後のジブリを見れば明らかだろう。



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