日本人が「ヨーグルト」を食べると腸に不調が起きる!?
次から次へと、よくわからない欧米発の横文字の健康法が乱立する昨今。とりあえず健康によさそうだと思って取り入れると、実は恐ろしいことになる可能性も……? そんな”健康オタク出羽守”に警鐘を鳴らす!
腸内の善玉菌を増やすために、ヨーグルトを摂取している人は多いだろう。しかしそんなことをしなくても、日本人の腸内環境はもともと優れているということを知る人は少ない。
「日本を含む世界12か国の人の腸内環境を比較したところ、国ごとに細菌の種類が大きく異なり、日本人は体に有益な機能を持つ腸内細菌を多く保有していることがわかりました」(医師の奥田昌子氏)
なんと日本人の腸内には、外国人と比べてビフィズス菌などの善玉菌が多く、悪玉菌が少ないのだ。ならば無理に毎日ヨーグルトを摂取する必要はない、ということになる。ヨーグルトにしろ牛乳にしろ、そもそも欧米発の食品だ。
「乳製品を歴史的に摂取してこなかった日本人は、乳製品に含まれる乳糖を分解するラクターゼという酵素の分泌量が離乳期以降急激に減り、80%ほどがまったく分解されなくなるんです」(化学者の寺尾啓二氏)
そのため、乳糖が消化吸収されぬまま大腸に運ばれ、腸内細菌によって醗酵することでガスが多く発生、腸の不調を引き起こす。
「ヨーグルトによって頭痛・疲労感・抑うつ・下痢といった食物アレルギーによる症状が起こるケースも実は多いんです」(奥田氏)
本人は体によいと信じていても、実は……なのである。
【奥田昌子氏】
内科医、健診医、産業医、医学博士。『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)がヒット中
【寺尾啓二氏】
化学者。シクロデキストリンを用いた機能性食品開発などを行うシクロケム代表取締役社長、神戸大学医学部客員教授。新著に『本当は健康寿命が短い日本人の体質』(宝島社)
(※)日本人とは?
「日本の国土で遺伝子を受け継ぎ、共通の生活習慣を持つ人々」(奥田氏)、「大陸との混血なく島国の中で代々生きてきた、ネイティブ」(寺尾氏)。本特集では両氏の見解を折衷し「日本に生まれ育ち、現在も在住している人」と定義する
― 欧米の健康法は日本人に効かなかった ―
日本人がヨーグルトを食べると腸に不調が起きる

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