沖縄基地問題で追いつめられた翁長知事が最後の切り札を出す日
ついに踏み込んでしまった。3月25日、沖縄県の翁長雄志知事が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事に反対する集会に参加し、仲井真弘多前知事による辺野古の埋め立ての承認について「撤回を力強く、必ずやる」と発言したのだ。
これまで、埋め立て承認の撤回について記者から聞かれても、「常に視野に入っているが、その時々で判断していく」と答えるにとどまっていた。すでに埋め立て承認の「取り消し」が昨年12月の最高裁判決によって違法とされてしまった以上、撤回というカードを切ることに慎重にならざるを得なかったわけだ。
沖縄県庁内でも慎重論は強まっていた。
「『撤回』に必要な法的な要件が揃っていないのではないか。裁判で勝ち目がないのが明々白々なものを敢えてやるのはおかしい」(沖縄県庁職員)
県庁職員は運動家ではない。その多くは役人らしく、法の枠組みのなかで業務にあたることを最善とするだけに、“反対のための反対”には批判的だ。県庁内の意見によく耳を傾けていれば、知事もそうは容易に踏み込めないだろうと思っていた。
一方、そんな慎重論とは対照的に、地元2紙はこのところ「撤回カードを早く切れ」というプレッシャーをかけ続けていた。それだけに、翁長知事の「必ずやる」との発言に、諸手を挙げて歓迎だ。翌26日付両紙はともに一面から二面、三面、社会面と大々的に取り上げている。例えば、『琉球新報』は社説で、<知事就任後、初めて辺野古の集会に参加した翁長雄志知事はあいさつで、埋め立て承認について「撤回を力強く、必ずやる」と述べ、撤回することを初めて明言した。工事を止めるための行政決断に踏み切ることの表明である。高く評価したい>。
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