胃潰瘍で亡くなった夏目漱石…その病弱だった人生を振り返る
― まり先生の歴史診察室 ― 忍者とメガネをこよなく愛する歴女内科医・馬渕まりが、偉人たちを歴史的状況から診察し医学に基づいてまじめに論じる! ●今回のテーマは「夏目漱石と胃潰瘍」小さい頃、愛媛に住んでた馬ちゃん先生です。給食にポンジュース出てましたよ。 それはさておき、今回の患者さんは松山にゆかりのある文豪……といえば、そうです、夏目漱石さんです。
漱石は明治維新の前年、1867年の江戸生まれ。3歳時に天然痘にかかり痘痕(あばた)が顔に残りました。 出だしからヘビーですよね……。漱石の写真は左向きで右頬を隠したポーズが有名ですが、実はこれ痘痕を隠しているため。お見合い写真でも、その部分を修正するなど、かなり気にしていた模様です。 病弱だった漱石は、大学予備門に在学中、虫垂炎のため試験を受けられず留年。この頃、トラコーム(伝染性の角膜炎)にもかかっています。 その後、東京帝国大学を卒業し、高等師範学校の英語教師となりましたが、そこで肺結核を発症、さらに近親者の死も重なり神経質衰弱となります。 いったん、ここまでの病歴をマトメてみましょう。 ●既往歴 3歳…天然痘 19歳頃…虫垂炎、トラコーマ 25歳頃…肺結核、神経衰弱 現代より栄養状態の良くなかった当時にしても、なかなか病弱な方だと思われます。てなわけで、話を進めましょう。天然痘に虫垂炎、トラコーマ……と既往歴がパンパン
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