大槻ケンヂ「パワフルな中年でいるためには筋肉少女帯を歌え!」
80年~90年代にかけて日本ロック界の異質な存在としてその名を残してきたバンド筋肉少女帯。98年には活動休止、それぞれのソロ活動を経て、06年に活動再開。あれから10年。再結成10周年を記念して、10月26日、『再結成10周年パーフェクトベスト+2』が発売された。さらに、ニューシングルとしてカラオケDAMとコラボを組み、全国のサラリーマンに贈るメタル応援歌『人から箱男(筋少×カラオケDAMコラボ曲)』をリリース。フロントマンである大槻ケンヂ氏も50歳を迎え、バンドマンとして今、何を思うのか。
――再結成から10年はすごいですね。10年バンドを続けられるだけでも偉業だと思います。
大槻:10年……。再結成時が40歳だったんですけど、40代からの10年は本当に早かったですね。ただ、今のほうが落ち着いてバンドをやれていますね。若い頃は、「この先どうなっちゃうんだろう」という不安とか、他のバンドに関するライバル心とか強かったけど、今はそういったこともなく安定してできています。昔は、なんとしてでも「悪目立ちをしてやろう」とか「俺が、俺が」だったのが、今は、フェスに出てもフェス自体を盛り上げて、周りと共に頑張っていこうって気持ちになりましたから。
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――それは年齢的な心境の変化もあるんですか?
大槻:年齢もありますね。あと音楽で音を合わせていると、そのうち心が合ってくるんです。昔は「あのバンドのあいつにゃ負けねえ」って気持ちはあっても、年齢を重ねたら、「あのバンドのあいつと気付いたらバンド組んでいた」とか、そういうコラボも生まれてくるんです。年を取ってから仲間意識が強くなりましたね。あとは、「親父バンドコンテスト」とかで審査員とかで出ると、気づけば出場者がみんな年下だったりするんですよ。ああ、そこまで来たんだなぁと。
――それでも筋肉少女帯らしさはずっと残っていて、他では類を見ない作品性だと思います。今と昔で、曲作りでは変化はありましたか?
大槻:歌は、大人になればなるほど歌いたいことがなくなってくるんです。若ければ、怒り、閉塞感、不安感など、よくわからない自信にみなぎっていて、むしろ伝えたいことしかないんですよ。でも大人になると、叫ぶほどのこともないなって気付くんです。ほら、いい大人が叫ぶと、国会議事堂の前でデモをする方向になっちゃいますから。「安倍首相、いかがなものか~」とかね。それはダメですよ。バンドとしてかっこよくないです。

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『再結成10周年パーフェクトベスト+2』 筋肉少女帯、再結成10周年記念ベスト・アルバム! ![]() |
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