私は宗教は一切持っていない。ああいう世界がほんとダメなので。
近所に、教会がある。周辺住民のちょっとしたコミュニティスペースも兼ねているみたいだけど、行ったことはなかった。
これは、恐縮だが半年くらい前の話。
教会の正面に、いつも、牧師さまの今週の講和の題名が掲げられていて、ある日のそれが「シャローム シャローム」であるのを見た。「シャローム」とは、ヘブライ語のもっとも基本的な挨拶言葉だが、うまい和訳が見つからない。しいて、一番近いのは、韓国語のアンニョン(安寧)だと思う。とにかく、うちのアメリカ人旦那はイエス・キリストと同じユダヤ人だし(なんちゅ~~くくり方だ)、ヘブライ語がどう関係する話なのか、と思い、その「シャローム」の日、日本語のあまりわからん旦那と、試しに教会へ行ってみた。
入り口で、「初めて来たんです」と言うと、名前を書かされた。
それから始まった牧師さんのスピーチは、私が受け付けない言葉が一杯。うげげ。何が「シャローム」だったか忘れた。
困ったことに、
「本日初めていらして下さったお二人を紹介いたします」
と、我々二人の名前が呼ばれてしまった。みんなの目が一斉にこっちを見た。おまけに「ご起立ください」と言われ、我らはみんなの拍手を浴びてしまった。うげげ。あたかも仲間入りを歓迎されているかのようだった。内心、いやいや、もう二度と来ないから勘弁して、と思った。
最後に、みんなでオルガンに合わせ、聖歌の合唱。じんましんが出そうな歌詞のオンパレードだった。こういう歌詞って誰が書くんじゃ。「われらが父イエスさま」とか「温かきみこころ」とか「われらの罪を」とか、ああいうの。
この間、京都に行った時、リトアニア人一家と出会った話を書いた。そのリトアニア人のお父さんが、
「日本人とリトアニア人って、共通する文化があるんですよ」
と言った。聞いてみたら、リトアニア人は、特定の神様を崇拝するより、山、川、木々など、自然物に対して崇拝の念を抱くが、これも日本と同じでしょう?と。このお父さん、来日前にかなり日本のことを勉強してきたに違いなかった。私も「そう、そう」と激しく同意してしまった。
我々日本人は、山、川、海などはもちろん、お米の1つぶ1つぶにも神様が宿っているから、無駄にしたらばちが当たるよ、としつけられたものだ。また、お天道さまが見ているから悪いことはできない、とも教わった。
日本人には、それで十分、宗教として機能しているのだと思う。特定の一神仏は必要ないと思う。
リトアニアについて、もうちょっと知りたくなってきた。