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「防衛関連」は各社伸長…重工大手3社の通期予想、稼ぎ頭業績押し上げ

「防衛関連」は各社伸長…重工大手3社の通期予想、稼ぎ頭業績押し上げ

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重工業大手3社の業績が堅調に推移している。2025年3月期連結業績予想(国際会計基準)は稼ぎ頭の事業が好調を維持し、各社が増収、全利益段階での増益または黒字転換となる見通し。各社で防衛関連事業が伸びるほか、三菱重工業はガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)、川崎重工業は2輪車・4輪車、IHIは民間航空機エンジンが業績を押し上げる構図となる。

三菱重工の24年4―12月期業績は、GTCCが好調で全社の業績をけん引した。電力需要を背景に米国での受注が大幅に増えたほか、採算性改善が進んだ。防衛事業も採算改善と工事が順調に進捗(しんちょく)した。これを踏まえて、25年3月期業績予想の売上高や事業利益などを上方修正した。

川崎重工業は24年4―12月期に、2輪車やオフロード4輪車の「パワースポーツ&エンジン(PS&E)」セグメントが堅調に推移。オフロード4輪車の一部機種でのリコールの影響はあったものの、対策を施した製品の出荷再開に加え、北米や欧州を中心に2輪車の販売が伸びた。足もとでは「(航空機エンジンの)アフターサービスが増加し、採算が改善した」(山本克也副社長)ことで増益に寄与した。また25年3月期業績予想の受注高を1300億円増とした。

IHIは24年4―12月期に民間航空機エンジンが引き続き伸長。これにより、「航空・宇宙・防衛」セグメントの25年3月期の業績予想の受注高・売上高・営業利益を上方修正した。足もとでは、スペアパーツ販売が好調に推移するなど24年4―12月期では大幅な増益。航空機エンジン「V2500」や同「GEnx」のスペアパーツの販売拡大が寄与した。「スペアパーツは力強く推移していく」(福本保明取締役執行役員)見通しだ。

日刊工業新聞 2025年02月11日

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