樹木・土壌の負荷抑える…コマツ、「クローラー式集材機」投入へ
コマツは数年以内にクローラー式林業フォワーダーを北欧市場に投入する。スウェーデンの林業会社8社とコンセプトマシンを製作済みで、共同実証を重ねつつ改良を進め、商品化する。欧州市場の現在のフォワーダーはタイヤ式が主流だが、北欧は地球温暖化の影響で凍土が減少して軟弱地盤が増え、ぬかるみに強いクローラー式機械の需要が高まっている。これを追い風に拡販する。
クローラー式林業フォワーダーは、スウェーデン子会社のコマツフォレスト(ウメオ市)を通じて販売する。
コンセプトマシンは「センティピーデ(ムカデ)」の名称で、車体の前後にクローラーを二つ組み合わせた構造。タイヤ式の良い点を生かしつつ、クローラー式にしたことで接地圧を抑えられ、樹木などへの環境負荷を軽減できる。
車体が比較的大きいため作業量が多く、機動力も高いため、土壌へのダメージの低減と生産性の向上を併せて実現できる。フルサスペンションシャシーの採用で車体にかかる振動も低減でき、オペレーターも操作がしやすい。
フォワーダーは山林で伐採後の短幹材を荷台に積んで運ぶ集材用自走式機械。クローラー式はタイヤ式と違ってわだちを残さない長所があり、車格の大きさと相まって高生産性マシンとして売り込む方針だ。
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日刊工業新聞 2025年1月23日