【漁夫の利】テスラが「関税戦争」で独り勝ちする理由
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私も講演などで触れていますが、テスラは以前からこれらを見越していて、計画されたいたギガ・メキシコ工場の建設をストップしていますし、当初から関税や補助金なしでも戦える製造イノベーションで利益の出るEVを作ってきています。生産は各大陸でローカライズが前提ですし、外的環境に影響されない戦略の結果でしょう。
以前にポッドキャストでもまとめています。トランプ関税と自動車メーカーへの影響:https://youtu.be/-E1TpsMKQ6w?si=QRWEvQybF626VaIQ今週はアメリカの関税政策とテスラないしはマスク氏についてです。
当初からテスラとマスク氏の利益相反については騒がれていましたが、ついに影響が出てきそうです。
テスラ優遇の面もあれば、充電器を見ると逆の面もあり、マスク氏の狙いはわかりません。
ただ、今までアメリカ の外に工場を作ることに躍起になっていた企業たちが、急に戻さなければいけなくなるとは。想像もできなかったです。この記事は『トランプ政権の再登場を予測していたマスク氏が、関税上昇に備え、自国のサプライチェーン構築というリスクヘッジ戦略をコツコツと進めた結果、現在の環境で高く評価された』という風に読むこともできると思います。
現在の彼の状況は、皆の知るところであるからこそ、批判的な意見も出てくることも否定しませんが、他社が「短期利益」を求め、中国に投資を集中させていた中でのマスク氏の戦略には、「基本を徹底し、トレンドに流されず、自社の強みを活かしきる」というマーケティングや経営戦略としての学びが多いと思います。
また、メリットが表面化すると、人はその瞬間だけに注目しがちですが、むしろリスクヘッジを怠った他社の方にこそ目を向ける必要もあるのではないでしょうか。長ったらしくグダグダと書いてあるけれど、要するにこの2点でしょうか。
➀テスラは他社に比べて中国と米国のサプライチェーンを分離している
➁関税が引き上げられても、テスラは他社に比べて影響を受けにくい
あくまで「他社と比べて」の話。
(意識するのはBYDでしょうか)
ならば、記事は「他社のパイを取れるかどうか」の話であり、そこには「今後も引き続きEVという乗り物が売れる」という大前提が存在している文脈だと思いました。北米でのLiのマイニングからギガ・テキサスでの精錬までを自社に組み込んで、最上流まで垂直統合を推し進め、貿易に依存しないサプライチェーンを構築しつつあるテスラ。
最近では天然黒鉛から人造黒鉛に切り替える動きも見られ、中国が構築したサプライチェーンを使わずにバッテリーを生産する目論見は達成するかに見える一方で、黎明期のEVに不可欠な市場重視のテスラブランドは棄損しているようにも映ります。テスラの株価は急落しました。米国の関税はプラスに働くかもしれませんが、世界でテスラ車のボイコット運動が熱を帯びています。
政治への関わりが強くなるにつれ、ドイツや中国での販売が急減しています。米国でも、セレブたちのテスラ車離れが進んでいます。
ブランドの立て直しには時間がかかるでしょう。
