28日に埼玉県八潮市で発生した道路の陥没事故。転落したトラック運転手の救助は難航しています。実はいま、こうした陥没が全国で増加傾向にあり、専門家は「どこでも起こり得る」と指摘しています。

埼玉 交差点に10mの大穴 全国で陥没相次ぐ

小笠原亘キャスター:
28日、埼玉県八潮市で道路が陥没してできた幅約10m、深さ約10mの穴に74歳の男性が乗ったトラックが転落しました。

現在、排水作業のため中断していた救助作業が13時間ぶりに再開しているそうです。

埼玉県の大野元裕知事は29日の会見で、「下水道が腐食し穴ができ、土砂が押し流され、空洞ができた可能性がある」と話しました。

また、埼玉県12市町120万人以上を対象に、下水道管がふさがり汚水があふれる可能性があるとして、 風呂や洗濯など生活排水を控えるよう要請しています。

実は道路の陥没は各地で相次いでいるそうです。

芝浦工業大学の稲積真哉教授は「下水道管が通っている場所はどこでも陥没が起こりうる」といいます。

国交省のホームページ(2022年度)によりますと、道路の陥没発生件数は1万548件でそのうち下水道管などを起因としたものは約2600件だったということです。

今回の陥没の原因について芝浦工業大学 稲積真哉教授は「下水道管に溜まった生ごみなどから発生する硫化水素が老朽化した下水道管を腐食させた可能性」だといいます。

硫化水素によって下水道管が腐食し、その結果、下水道管に穴が開くと、周囲の土砂が吸い込まれ空洞ができ、車両の重みや何らかの衝撃で陥没してしまったとみられています。

ホラン千秋キャスター:
(下水道管の腐食は)見えるものではないですから、陥没が起こっている地元の皆さんは心配な気持ちでいっぱいだと思います。

萩谷麻衣子 弁護士:
まずは一刻も早く被害を受けた方の救出を祈ります。

現在、地元の方々に生活排水を控えるように要請をしていますが、これは水道法に基づく使用制限で、トイレや飲み水については制限されていません。洗濯やお風呂などを控えてくださいというものです。

ただ生活に影響があるものですから、それがいつまで続くのか心配になりますね。