学芸大学の高架下、台湾屋台を実感できる「CHI-FO 台湾屋台縁食区」の水餃子

2025年1月17日(金)8時0分 JBpress

文・取材=小泉しゃこ 撮影=平石 順一協力=木村千夏


台湾のように毎日食べてもらうことを意識

「学芸大学」「高架下」「餃子」というキーワードを眺めているだけでワクワクする。この高まった期待を胸に「CHI-FO 台湾屋台縁食区(チーフォ たいわんやたいえんしょくく)」を訪れれば、存分にその期待に応えてくれるだろう。学芸大学駅から徒歩3分の学大横丁の一角に店はある。その名の通り、台湾屋台をイメージしたにぎやかな店内で、そこに漂う空気感にぴったりの餃子が運ばれてくる。

 餃子は「高麗菜水餃子(キャベツの水餃子)」と「吃貨鍋貼(焼き餃子)」の2種類ある。( )内の注意書きのとおり中国語で「高麗菜(カオリーツァイ)」はキャベツ、「鍋貼(グゥオティエ)」は餃子、「吃貨」は食いしん坊という意味で、チーフォ(CHI-FO)と読む。そう、吃貨はここの店名である。チーフォつまり食いしん坊たちの胃袋を満たしてくれるのは料理長、「キクタロー」こと菊田悟さんである。

 菊田さんは旅が好きで、バックパッカーとして世界各国でその土地の名物料理を食べてきた。旅をし、その国の料理を研究し、おいしさを再現してケータリングやポップアップのレストランやイベントなどで披露している。そして、菊田さんが料理長として今の店を任された。

 菊田さんの料理のコンセプトは「現地よりもおいしく出す」こと。台湾スタイルの店を出すにあたっては、台湾を何度も訪れてはローカル色の強い台湾屋台を巡り、餃子を1日に何軒も食べ歩いた。そして出身地であり餃子を誇る宇都宮で食べ慣れている餃子をベースにして、CHI-FOでしか食べられないオリジナルの餃子を作った。菊田さんの餃子は野菜は多めで、何個でも食べられるような飽きのこない味が特徴だ。

「台湾は外食頻度が日本より高いんです。台湾のように毎日食べてもらうことを意識すると、味付けはおいしすぎても、濃すぎても薄すぎてもよくない。“ちょうどいい”加減がなかなかむずかしいんですよ」と、菊田さんはいう。

 この感覚で作る料理は餃子に限らない。中国語で書かれたさまざまなメニューはどれも現地そのままではなく「現地を超えた」おいしさを意識しているので、日本人になじみのある昆布やかつお節も使う。

 餃子は日本人になじみのある料理だが、菊田さんならではの旅人の目線で、日本人にもっと知ってもらいたい、食べてもらいたいと思う料理はあるか? と聞いてみたところ、「羊肉飯(ヤンローハン)を広めたいんですよね」とうれしそうに即答した。つゆたっぷりのラム肉の牛丼のことで、甘みのあるやわらかい羊肉がごはんとともにさらさらっと胃におさまる。確かにこれはクセになりそう。

 台湾ビールのおともに餃子を2種類、そして締めの一品は羊肉飯でどうぞ。旅行気分で「非常好吃(フェイチャンハオチー)」と唱えたい。

筆者:小泉 しゃこ

JBpress

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