新シーズンに向け大幅なルール改定を実施。オープン免除の暫定措置により実力者の参戦を確約/NASCAR

2025年1月16日(木)12時0分 AUTOSPORT web

 北米最高峰ストックであるNASCARカップシリーズの運営団体は、現地時間1月10日の金曜日付けで2025年シーズン向けにレース手順の変更、追加のペナルティ、フィールドへの“41台目の車両追加”を含む大掛かりな競技規則改訂版のブルテンを発表。このうち最後に触れた「新しいオープン免除の暫定規定」措置により、開幕戦『デイトナ500』へのエリオ・カストロネベスの出場が事実上、確約されることとなった。


 先週発表されたブルテンに於ける最大項目のひとつとなった「41番目の車両」は、例えば“Great American Race”ことデイトナ500のようなビッグイベントに参加する異なるシリーズの「ワールドクラスのドライバー」に対し、スタートポジションを自動的に保証する『Open Exemption Provisional(オープン免除暫定)』の追加を意味しており、イベントの90日前にリクエストを行ったチームがその利用を承認された場合、レース本戦への出場枠が保証される。


 つまり、先ごろアナウンスされたトラックハウス・レーシングの国際枠“プロジェクト91”のもとで4台目のシボレー・カマロZL1をドライブする予定のカストロネベスは、従来の手段(予選ラップあたりの平均スピード、またはデュエルレースの結果)で出場するか、この暫定規定を使用して出場することになる。


 同時に​​NASCARはオープン免除の暫定規定を使用したチームのレース勝利を認め、オールスターレースへの資格を与える。ただし、暫定ポイントを使用してレースに出場した場合「レース獲得ポイント」「ポストシーズン出場資格」「賞金」「順位によるタイブレーカー特典」は受けられない。


 つまり、カストロネベス(と、トラックハウス・レーシング)が今季のデイトナ500を制覇した場合、彼らは優勝者として認められ、カストロネベスはオープンホイールでの世界三大レース『インディアナポリス500(インディ500)』と『デイトナ500』の双方で勝利を挙げた3名のドライバーのひとりとなる。加えて、今季の夏には“All-Star Race”への招待出場枠を得るが、特典はそれだけとなる。


 代わって、そのデイトナ500で2位に入ったレギュラー登録ドライバーがレース最大ポイントを獲得することになるが、この場合はプレーオフポイントやポストシーズン出場資格などの優勝特典は受けられない。

従来、ビッグイベント向けオープン登録の出場者は、予選ラップあたりの平均スピード、またはデュエルレースの結果で出場枠を勝ち獲る必要があった
「新しいオープン免除の暫定規定」措置により、開幕戦『デイトナ500』へのエリオ・カストロネベスの出場が事実上、確約されることとなった


 その他では、昨秋のマーティンスヴィル戦で発生した論争を踏まえ、NASCARは「必要と思われる場合にメーカーにペナルティを科すため」の文言を正式に追加。トラックハウスを筆頭にリチャード・チルドレス・レーシング(RCR)や23XIレーシングがチームメイトを助けるためにレースのフィニッシュを操作したとしてペナルティを課された事実をもとに、メーカーポイントの減点をはじめ、風洞実験時間や数値流体力学(CFD)実行時間の削減が正式な罰則として設定された。


 また、昨季はインディ500に出場することを選択し、同日開催だった『コカ・コーラ600』との“ダブル”挑戦で、悪天候の影響も受け事実上欠場したカイル・ラーソンの例を筆頭に、プレーオフ免除のプロセスも改訂。年間で欠場ラウンドが発生したドライバーが、プレーオフの出場資格を維持したい場合は、リクエストを通じてプレーオフ免除を申請する必要がある。


 そのうえで、医学的理由または年齢制限以外の理由で認められた場合、ドライバーはプレーオフ開始前に獲得した現在および将来のプレーオフポイントをすべて失うことで、ポストシーズンの資格を維持できる。


 そして2024年シーズンを通じて何度も批判を浴びた『Damaged Vehicle Policy(損傷車両ポリシー/DVP)』に関してもレース手順の規定文言が書き換えられ、チームがクルマを修理するための7分間の時間制限がほぼなくなり、チームは適切と判断した場合は車両を修理してレースに戻ることが可能に。


 これによりチームがレースから除外されることはなくなり、ドライバーはDVPクロックが適用されている間、ガレージまで運転または牽引されてレースに戻ることができ、ピットレーンの7分(アトランタは8分)間のみでなく、ガレージで修理を行うチームには制限時間は設けられないこととなった。


 これまでNASCARは、このDVPに関して「修理された車両から部品が外れた場合に追加のコーションをなくすためのもの」だと主張してきたが、イベントから脱落するかガレージに牽引されるかを「NASCAR側に決めさせたくない」というチーム側の総意が通った格好となり、ルールに対する批判が続き、ときには混乱も生じたため、レース続行の決定権と責任はふたたびチームの手に委ねられることになる。

チームは適切と判断した場合は車両を修理してレースに戻ることが可能に
ルールに対する批判が続き、ときには混乱も生じたため、レース続行の決定権と責任はふたたびチームの手に委ねられることになる


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