スイスと言えば
広大なアルプス山脈があり、
中世を思わせる美しい街並み
というイメージがありますよね。
また世界中から優秀な留学生が集まる教育大国としても有名で、留学先としても人気な一面を持ちます。
しかし物価が高くお金がかかるため、ワーホリで稼ぎながら長期滞在できたらいいなと思う方もいるでしょう。
ただ残念ながらスイスと日本はワーキングホリデー協定国ではありません。
その代わりに
「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」というのがあります。
今回はそのプログラムについて解説しますので、ぜひ参考にしてください!
- スイスでワーホリはできる?
- スイスで働きたいなら「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」を使おう
- ヤング・プロフェッショナル・プログラムの年齢条件や申請方法
- スイスで人気の日本人向けの仕事
- スイスで働くメリット
- 魅力あふれるスイスで就業に挑戦してみよう!
スイスでワーホリはできる?
結論から言いますと、スイスに日本人向けのワーキングホリデー制度はありません。
日本人は30歳以下であれば海外に長期滞在しながら語学を学び、さらに就労もできるワーキングホリデーという制度が使えるのですが、スイスと日本はその協定を結んでいないのです。
しかしながらワーホリの代わりに
「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」
というものがあるのをご存知でしょうか?
スイスでお金を稼ぎながら生活してみたいという方は、ぜひ挑戦してほしい制度です。
スイスで働きたいなら「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」を使おう
2009年、日本とスイスが「日本・スイス経済連携協定」を結んだときに定められたのが「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」です。
労働ビザを発給できるように締結されました。
日本人がスイスで企業研修を行うことができるプログラムですが、参加には条件があります。
条件を満たすことができれば、スイスでの就労体験が叶うのです。
またスイスで生活することになれば日本語はほとんど使えない環境になるので、日常会話で困らないレベルの英語力は必要になるでしょう。
ヨーロッパの中心に位置するスイスは言語も民族も混同している特徴があり、4つの公用語を持ちます。
ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語が地域によって使い分けられているのです。
しかし、よほど小さい町など田舎でなければ英語が通じるようなので、英語を話せるようにしておいた方が良いでしょう。
ヤング・プロフェッショナル・プログラムの年齢条件や申請方法
まずは「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」への参加条件を確認しましょう。
条件は以下の通りです。
・35歳未満である
・日本国籍の保有者(有効なパスポートも所持している)
・大学・応用科学大学・高等専門学校・職業および高等専門試験等の学位に相当する技術または知識のある者
・スイスに所在する企業から個人契約によって雇用されることが決まっている
・1年間もしくは18ヶ月を限度とする滞在期間
・日本国内の外交使節団に申請書の提出
通常のワーキングホリデーだと30歳までの上限がありますが、「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」では
35歳未満まで対象
になるので挑戦できる期間が長いです。
しかし条件を全て満たすには気を付けなければならない点があります。
スイスでの就労体験を勝ち取るためにもしっかりと確認しましょう。
学位または技術の条件
若者が職業における技術や専門知識をさらに深めるということが目的の1つである「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」。
したがって取得している技術や学位を確認する際には、一定の基準を設けているようです。
ご自身の技術または学位が参加条件を満たせるか不安な方は、大使館へ問い合わせて確認しましょう。
特別な学歴がなくても就労できるワーキングホリデーと比べると難しい点にはなりますが、内容を理解した上で挑戦してみてください。
滞在期間
ヤング・プロフェッショナル・プログラムの基本的な滞在期間は1年で、正当な理由として認められた場合のみ限度である18ヶ月まで延長することができるようです。
つまり誰でも延長できる訳ではありません。
可能な限り長く滞在したいと考えている方は事前に詳しい方法などを確認してください。
雇用形態
パートタイムや自営業はプログラムの対象外と連邦移民事務局で決められているようなので、注意しましょう。
給与はスイス国民に定められているのと同じ雇用条件の下で支払われます。
したがってスイスの雇用条件についても調べておくことも大切です。
またスイスに居住する人は全員、健康保険に加入する義務があります。
自身が安心安全に生活するためにも必ず加入してくださいね。
スイス到着後3か月以内に加入が必要です。
必要書類や申請方法
ヤング・プロフェッショナル・プログラム申請の際に必要な書類は以下の通りです。
・プログラム申請書2通(スイス連邦移民庁のページからダウンロードできます)
・雇用契約書2部(こちらもスイス連邦移民庁のページからダウンロード)
・高等教育学校の卒業証明書や学位取得証明書のコピー
・履歴書
・パスポート(身分証明のページをコピーたもの)
・過去に勤務していた会社からの雇用証明書のコピー(該当者のみ)
申請書、雇用契約書は必ずスイス連邦移民庁(SEM)のページからフォーマットをダウンロードして記入しましょう。
書類の記入はドイツ語・フランス語・英語のいずれかでなければなりません。
申請書類の提出は在日スイス大使館に直接提出しに行く必要があります。
承認までの時間は4~8週間程かかるので、余裕をもって申請しましょう。
【在日スイス大使館】
住所 | 東京都港区南麻布5-9-12 |
電話番号 | 03-5449-8400 |
対応時間 | 9:00~12:00(月~金) |
公式サイト | スイス大使館 |
滞在許可証
日本人がスイスに渡航する際は、ビザ(査証)の免除取り決めを締結していることにより、滞在期間に関わらずビザの取得は必要ありません。
しかし滞在期間が90日以上の場合は「滞在許可」を取得する必要があります。
またスイス大使館で手続きするのではなく、
滞在予定地を管轄する州移民局から
「滞在許可発行確約書」
または
「入国許可発行確約書」
をもらわなければなりません。
ヤング・プロフェッショナル・プログラムは就労となるので、就労許可も必要になります。
申請は内定先を通して行いますが、申請方法は州によっても異なるので滞在予定地の地域を管轄する移民局と英文でコンタクトを取り、確認する必要があるでしょう。
スイスで人気の日本人向けの仕事
実際にスイスで働く日本人はどんな職種の人が多く人気なのか気になりますよね。
特に人気があるのは以下3つの職業です。
・和食シェフ
寿司職人などの和食を調理する職業。
近年スイスでは、和食が健康的だと流行しているようで、寿司職人は特に注目されています。
ただ職人や調理人だけではなく、ウエイターやウエイトレスも人気です。
・観光ガイド
日本人が多く観光に来る6月〜9月に雇われます。
しかし観光ガイドに限らず、観光地のお土産店スタッフも多いようです。
・日系企業の駐在員
スイスでは日系企業の受け入れにも積極的です。
またスイスは治安が良く清潔で生活しやすいことでも知られているため、駐在を希望する日本人は多く人気があります。
「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」に申請するには、スイスに所在する企業からの雇用が確約されていることが必須なので、求人の探し方が気になるところですよね。
転職エージェントに相談したり、自力でネット検索で見つける方法など色々ですが、求人情報について役立つ情報をお伝えします。
日系企業
まずは日系企業の求人についてです。
現在スイスにある日系企業の数はわずか300社程であり、中国に進出している日系企業3万社程に比べると非常に少ない状況。
したがって日系企業の求人はゼロではないですが、難易度が高くネット検索でもあまり見つからないでしょう。
日系企業にこだわるのであれば、転職エージェントに相談するのが一番いいかもしれません。
日本人学校
スイス公文学園高等部とチューリッヒ日本人学校の2校が在外教育施設として文部科学省に認定されており、求人募集もあります。
ホームページから教員の募集がされているときに直接申し込むか、海外子女教育復興財団から応募する方法などになるでしょう。
日本に所在するスイス企業
日本にあるスイス企業に挑戦する際のおすすめは、以下3つの企業です。
・カランダッシュ(筆記用具が中心のブランド)
・ネスレ(コーヒー)
・トリンプインターナショナル(下着メーカー)
各社ホームページで求人情報を出していることが多いです。
入社することができれば海外勤務のチャンスを獲得できるでしょう。
ジュネーブでの仕事
スイス西部に位置し、チューリッヒの次に大きいとされる都市ジュネーブ。
共働き夫婦が多くシッターを雇う人も多いため、家事代行やベビーシッターなどの求人募集が期待できます。
またジュネーブは国際都市として有名で世界中から多様なジャンルの飲食店が進出しており、日本食レストランもあるため和食シェフやウエイターとしてのチャンスも多いです。
スイスで働くメリット
スイスは移住者にとっても働きやすい国として有名。
失業率が低く、女性の雇用率も非常に高いようです。
また物価が高いことで有名なスイスですが、その分給料も高く平均年収1000万円以上が普通。
さらにスイスに在住している海外からの移住者の約25%が年収2000万円以上というデータもあります。
世界の年収ランキングでも毎年トップ5位以内に入っているでしょう。
この給与の高さに魅力を感じ、ヨーロッパ内の近隣国の人はもちろん、世界中からスイス移住を求める人が多いのです。
給与以外にも、義務教育の学費が無償、社会保障にかかる負担額が低いなど住みやすい制度もあります。
加えて消費税や所得税など税金の低さでも有名で、物価高とのバランスがしっかり取れているのです。
魅力あふれるスイスで就業に挑戦してみよう!
スイスと日本はワーホリ協定国ではありませんが、「ヤング・プロフェッショナル・プログラム」を利用してスイスで働くことができます。
物価は高いですが、給与が高く税金が安いスイスで働き、スキルアップすることはかなり貴重な経験になるでしょう。
さらには語学力をつける機会にもなり、国際的な人脈を広げることもできます。
休みの日には豊かな自然を堪能したり、ドイツやイタリアなど気軽に隣国のヨーロッパ旅行に行くことだって可能です。
ヤング・プロフェッショナル・プログラムの参加条件を満たせそうな方はぜひ活用してみてください!