- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2009/06/05
- メディア: 文庫
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一昨年に出版されてけっこうな「論争の書」となった『般若心経は間違い?』(宝島新書)が同社から文庫版として再発された。内容は細かい校正のみでそのままだが、般若心経の非論理性、呪文信仰の非仏教性をフルぼっこにしつつ、初期仏教のエッセンスを簡潔に伝えた構成は何度読んでも面白い。
トリをつとめるヴァジラー比丘尼が語るその悟境(相応部詩偈相応比丘尼品「無我問答」)は、その清々しさ、格調の高さから言ってパーリ経典のなかでも特に好きな一節だ。
生まれるのは苦である。
あるのも苦である。消えるのも苦である。
苦以外生まれるものはない。
苦以外消えるものもない。
般若心経に興味がなくても、この詩偈(ガーター)の解説を読めるだけでも本書の価値はある。未読の方はこの機会にぜひ!
〜生きとし生けるものに悟りの光が現れますように〜