なぜただ安いだけのパソコンに過ぎないAspire One / EeePCが"ウルトラ"モバイルなのか?
テレビCMでそのフレーズを聞いて気になっていたので。ほかにもソフマップの店頭の看板や週間アスキーなどの特集でもUMPC=EeePCやAspire Oneなどのいわゆる小型で低価格のノートPC、特にマイクロソフトのULCPCライセンスに該当するマシンとして扱っていた。ちなみにPC専門のWeb媒体などではこれらは「ネットブック」と呼称されることが多い*1。
ネットブックはメールやWeb程度ならある程度こなせるような、機能や技術に特別な要素が無いパソコンで、ウルトラなモバイルマシンと呼べるような技術的な特徴は特に無い。強いて言えばULCPC*2、安さに関してだけがウルトラ。
かつてマイクロソフトが提唱したUltra Mobile PCというのはこういうのだ。最新のページはこっちかな? 7インチ以下のタッチパネルを備えた900g以下の超小型PC。そして初期の具体的な製品はPBJのSmartcaddieが載っている。高い割に何に使えばいいのかわからなくて売れなかったタイプのマシンですな。そして販売元のPBJは倒産。次世代型として今度はCPUにCentrino Atomを引っさげて華々しく再デビューしたと思ったらCentrino Atomがブランド廃止w 10万円のおもちゃを買ってくれるのはモバイルが手段というより目的の一部の人だけなのですね。こんな事いわれてまで使うのはマニアだけだ。
昔からモバイルPCの特集をやってもマニアにしか受けないとはよく言われた事のようですが、大多数の人にとってお外でパソコンというのは大変に優先度が低く、大枚叩いてするようなことではないということが再確認されて、「でも安かったら手を出してみても良いかも?」「そういえばパソコン家族と共用してたわ、自分専用のほしい」っていう志の低い小市民大多数が動いたと。まあ売れないものを「ウルトラ」って呼ぶより、めちゃくちゃ売れてるEeePCを「ウルトラ」って呼んでハク付けたほうが、注目度はあがりますわなぁ。週刊アスキーとかゆるふわな雑誌とかが言うのはまあアスキーだしで済まされますが、業界紙の電波新聞とかが言い出してるので、UMPC≒ネットブックっていうのが世の扱いとして定着しているのでしょうかね。
こうしてUMPCでGoogle検索をかけてみてもトップに来るのはネットブック関連の記事ばかり。お株を奪われてしまった元祖"ウルトラ"モバイルPCのかたがたは今後どうされるのでしょう? このWILLCOM D4 Ver.Lの広告には「MID」という表記があります。モバイルインターネットデバイス。ってネットができる何か? って意味でしょうか。ずいぶん質素で、ネットブックと変わらんやんけ。ただひとつ違うのはモバイルってつくことだけど。これからの世の中モバイルって言うならこれぐらい小さくなきゃ! という気持ちの現れでしょうか。
個人的にはMIDっていうのはコンパクトなLinuxやらが入っててせいぜいmylo*3ぐらいのネットにチャットにスカイプに音楽が聴けますね? って言うぐらいのものだと思ってるんですがねぇ。まあ夢を語ったところで売れなくては消え去るのみ。IntelはMID用のMoblinなんていうLinuxをプッシュしているみたいだし、ジャンルとして認知されると良いんですがねぇ。でも国内でLinuxは厳しそうだし、ようやく売れ出した"Windowsケータイ"との板ばさみにあって死亡かもw
まあどうなろうと私はEeePCはネットブックと呼びますがね。Webページのことを"ホームページ"って呼ぶのが気持ち悪いのと一緒でEeePCをUMPCっていうの気持ち悪いので。
Weekly Access Top10:Windowsケータイに付属する「Outlook」は試用版というワナ - ITmedia +D モバイル
確かに"Windowsケータイ"のご先祖様であるかつてのJornadaなどのハンドヘルドPCやPocketPCにはOutlook製品版が付属していたので、何で無いの? という感じもする。しかしいまさらPCとActive Syncっていうのもスマートじゃない気がするんだよなぁ。
通信手段があるんだからネットワークで解決してほしい。たとえばNuevaSyncを使うとgoogleカレンダーとネットワーク経由でActive Syncできるようになる。Windows Mobile標準機能でできるのでソフトのインストールも要らないし、更新間隔も細かく設定できる。劇的に楽*1。
Windows Liveとも連携できるようにすればいいのにねぇ*2。