楽天プレミアムカードのメリット・デメリットを徹底調査！ 損益分岐点やプライオリティ・パスが使えるかも解説

最大の魅力は、プライオリティ・パスが付帯する点です。

執筆時点では、回数制限なく世界145か国にある1,500か所以上の海外空港ラウンジを無料で利用可能。通常、無料利用回数に制限のないプライオリティ・パス「プレステージ会員」の年会費は469USドルなので、頻繁に海外に行く人にはかなりお得な特典です。

2025年1月15日以降は年5回まで無料といった回数制限に加えて、サービス対象がラウンジのみに。比較したゴールドカード相当のカードのなかでプライオリティ・パスが付帯するものはわずかでした。「改悪で年会費を支払うメリットがなくなった」との口コミもありますが、回数制限がついたとしてもメリットは大きいといえるでしょう。

国内でも、カード会社の空港ラウンジを無料で利用可能。楽天ブラックカードは年2回までなのに対して、回数制限はありません。ハワイにある楽天カード アラモアナラウンジ・楽天カード ワイキキラウンジなら、楽天プレミアムカードを提示するだけで同伴者も無料で使えます。

コストパフォーマンスの高さも魅力のひとつです。「年会費が高い」という口コミに反して、年会費は11,000円と比較したゴールドカードのなかでは平均的な料金設定でした。

年会費を30,000円以上払ってもプライオリティ・パスを無料で利用できる回数が限られているカードがあることを思うと、特典内容に対する年会費のお得さが光ります。

お得にポイントを貯めたい人にも向いています。年間利用額に応じたボーナスポイントはないものの、通常のポイント還元率は1.00%と高めです。

比較したクレジットカードのポイント還元率を調べたところ、0.50%か1.00%のほぼ二択でした。還元率0.50%のカードに比べると、貯まるポイントに2倍もの差が生じます。なお、比較したなかにはコンビニ・携帯料金の支払いでポイント還元率がアップするカードもありましたが、楽天プレミアムカードではコンビニや携帯料金の支払いでポイント還元率は上がりません。

ちなみに、楽天プレミアムカードのポイント還元率は、このあと説明する楽天市場での利用を含めて年会費無料の楽天カードと同じです。空港ラウンジを利用しないなら、楽天カードを検討するのもよいでしょう。

楽天市場での買い物ではさらにお得です。楽天市場で楽天プレミアムカードを使って支払いをすると、ポイント還元率が3.00〜17.50%に上がります。ポイント還元率3％の内訳は以下のとおりです。

＜ポイント還元率3%の内訳＞

1. 楽天カード通常分+1.00％
2. 楽天市場利用分+1.00％
3. 楽天カード特典分+1.00％

上記に加えて、楽天プレミアムカードの特典として「楽天市場コース」を選ぶと、毎週火曜日・木曜日のプレミアムカードデーの買い物で+1.00%。還元率が4.00％にアップします。

また、楽天モバイルの契約で+4.00%、楽天モバイルのキャリア決済で+2.00%など、楽天サービスを利用すればするほど還元率が上がる仕組みです。すべての条件を満たすと、最大で7.50%の高還元率が実現します。

ポイントアップ店での最大還元率が10.00%以上のカードもありましたが、最大17.50%という還元率は比較したなかでトップクラス。楽天市場でよく買い物をする人・楽天経済圏で生活をしている人なら、ポイントをザクザク貯められるでしょう。

電子マネーのチャージでポイントの二重取りをしたい、クレジットカード上級者にもおすすめです。楽天プレミアムカードからチャージした楽天ペイで支払えば、還元率1.50%でポイントを貯められます。

比較したクレジットカードのうち、ポイントの二重取りが可能なカードは半数強。二重取りができないカードも多いなか、お得度がさらに高まります。楽天ペイはセブン‐イレブンやローソンなどのコンビニをはじめさまざまな店舗で利用できるため、そのぶんポイントが貯まるシーンも増えますよ。

クレカ積立でポイント還元が受けられる点も要チェックです。比較したなかにはクレカ積立非対応のカードもありましたが、楽天プレミアムカードは楽天証券の投資信託積立を決済することで1.00％のポイント還元が得られます。楽天カード（0.50%）・楽天ゴールドカード（0.75%）より還元率は高めでした。

楽天カード・楽天ゴールドカードも、代行手数料年0.4%以上の銘柄なら1.00%に還元率がアップします。一方、楽天プレミアムカードは、代行手数料に関わらず、すべての銘柄に1.00%が適用。NISAにも対応しており、積み立てながら効率よくポイントも貯めたい人にうってつけです。

ポイントの使い道にも困りません。貯まった楽天ポイントは1ポイント=1円から楽天市場や楽天トラベルなどの支払いに使えるのはもちろん、楽天ペイのチャージやポイント投資、楽天モバイルの支払いなどにも使用可能。楽天プレミアムカードの利用代金の支払いにも充てられます。

比較したなかには、ポイントの使い道が限られているクレジットカードもありました。対する楽天プレミアムカードは使い道が豊富なので、ポイントが無駄になることはほとんどないといえるでしょう。

なお、楽天ポイントには「通常ポイント」と、特定のキャンペーンでもらえる「期間限定ポイント」の2種類があります。通常ポイントの有効期限は最後にポイントを取得してから1年間なので、楽天プレミアムカードを使っていれば実質無期限です。一方、期間限定ポイントの有効期限はポイントを獲得したキャンペーンごとに異なり、延長はなし。有効期限が短いことも多いので、できるだけ早く使いましょう。

楽天プレミアムカードは保険内容も充実。海外旅行保険・国内旅行保険・動産総合保険が自動付帯しています。動産総合保険とは、楽天プレミアムカードで購入した商品（1個1万円以上）に対して適用されるもの。購入日から90日以内に偶然な事故により損害を被った場合、最高300万円までの補償が受けられます。

＜海外旅行保険＞

1. 傷害死亡・後遺障害：合計最高5,000万円（自動付帯4,000万円＋利用付帯1,000万円）
2. 傷害治療費用：300万円
3. 疾病治療費用：300万円
4. 賠償責任：3,000 万円
5. 携行品損害：合計50万円（自動付帯30万円＋利用付帯20万円）
6. 救援者費用：200 万円

＜国内旅行保険＞

1. 傷害死亡・後遺障害：最高5,000万円
2. 傷害入院：日額5,000円
3. 傷害手術：入院中の手術は入院保険金日額の10倍、それ以外は入院保険金日額の5倍
4. 傷害通院：日額3,000円

＜動産総合保険＞

1. 補償限度額 ：年間300万円
2. 自己負担額：1回につき3,000円

比較した海外旅行・国内旅行保険がついているクレジットカードのなかで、カードを持っているだけで保険が適用される「自動付帯」は少数でした。楽天カード・楽天ゴールドカードの旅行保険は海外旅行のみで、いずれも特定の利用条件を満たした場合に適用される「利用付帯」です。

公共料金の支払いで、しっかりポイントを貯めたい人には向いていません。ほかの楽天カードと同様に、公共料金の支払いではポイント還元率が0.20%に下がる点には注意が必要です。

比較したなかにも、公共料金の支払いでポイント還元率が低く設定されているクレジットカードはありました。とはいえ、ほとんどのカードは1.00%あるいは0.50%の還元率をキープ。楽天プレミアムカードは0.20%とかなり低く、毎月の支払いでポイントが貯まりにくい点はデメリットといえます。

なお、楽天銀行デビットカードは、公共料金の支払いでも1.00%と高還元率です。楽天ポイントを効率よく貯めるなら、楽天プレミアムカードと楽天銀行デビットカードを使い分けるのもおすすめですよ。

特典の豪華さはいまひとつです。楽天プレミアムカードには、ホテルやレストランの優待特典はついていません。

ゴールド・プラチナなどランクが高いカードは、年会費が高いぶん特典が豪華になる傾向があります。例えば、同じ年会費11,000円のJCBゴールドは、映画館やジムなど国内外20万か所以上での優待サービスあり。年会費13,200円のアメリカン・エキスプレス®・グリーン・カードでは、プライオリティ・パス、レストランやホテルなど特別感を楽しめる特典が充実しています。

楽天プレミアムカードはレストランやホテルで受けられる豪華な特典よりも、空港ラウンジ特典を重視する人向きといえるでしょう。