瀬尾まいこの名作小説のおすすめ人気ランキング

デビュー作である卵の緒に通じるテーマを描いた、2019年本屋大賞受賞作品です。血縁のない間柄でも愛情をはぐくめば幸せに過ごせる、そんな希望を抱かせてくれるはず。卵の緒と続けて読むことで、より魅力が深まりますよ。

いきなり父親をやめる宣言をしてしまう父・家族と仲が悪いわけでもなさそうなのに別居している母・天才だけど自由人過ぎる兄という、変わった一家と暮らす主人公。タイトルとは裏腹に、読んでいて辛く切ない気持ちになるシーンも登場します。泣きたくなるような物語のなかに、やさしさが感じられる1冊です。

表題作に登場するのは、捨て子とその母親で、血縁がなくても愛し合う親子としての絆を感じられる作品です。テレビドラマ化もされたもう1作で描かれるのは、2人暮らしをすることになった異母姉弟。やさしい気持ちになれる感動の短編集で、瀬尾まいこの記念すべきデビュー作です。

主人公の美紗は月に1度のPMS（月経前症候群）でイライラを抑えられず、転職してきたばかりのパニック障害を持った山添くんに当たってしまいます。お互い自分の病気は治せないものの、相手の手助けはできるのではと思う2人。厳しい人生に救いの手を差し伸べるような、温かみのあるストーリーです。

23歳の主人公は、仕事や人間関係の悩みが募り、山奥の民宿で自殺未遂。民宿のオーナーのやさしさに励まされ、田舎で暮らしていましたが、やがてここでの暮らしにも違和感を感じ始めます。現代社会にリアルで起こりそうな、働く女性の心情を描いた物語。

主人公は、OL時代の営業力を生かして占い師に転身したルイーズ吉田。そんな占い師のもとには、子どもから大人までさまざまな悩みを抱えた人たちが訪れます。相談にやってくるお客さんのなかには、物事の終わりが見えるという大学生まで登場するユニークな展開が魅力です。

ユニークな登場人物たちが織り成す、青春スポーツ小説です。図書館の神様にも少しつながる、偶然の関係がテーマ。熱くなれて感動もできるわかりやすいストーリーで、本作をきっかけに、駅伝という競技にも興味が広がるかもしれません。

不思議な出会いをきっかけに、傷ついた心を回復していく再生の物語です。清く正しくまっすぐな青春を送ってきた主人公は、思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で文芸部の顧問になることに。単行本未収録の短篇「雲行き」も収録しています。

金髪にピアスで高校にも行かない16歲の少年が、ひょんなことから先輩の小さな子どもの面倒を見ることに。親代わりとして日々奮闘するなかで、今までに感じたことのない感覚を覚えます。思いがけない奮闘を描いた、感動の青春小説です。

瀬尾まいこ作品のなかでも、ちょっとめずらしい恋愛コメディ調です。和菓子屋の後継ぎとの結婚が決まっていた主人公のさくらですが、突然兄を名乗る明らかに年下の男の子が現れます。彼の正体と目的とは何か、謎の多い展開が続いていきますよ。

優しさをギュギュっと詰め込んだ、瀬尾まいこらしさ全開の短編集です。おしまいのデートというタイトルですが恋愛に関する物語ではなく、本作に登場するのはどれも恋愛感情のない間柄のデート。孫とおじいちゃん、老教師と生徒などの関係が描かれています。

エスパーのように人の心を読めるという特殊な能力に気づいた大学生と、バイト先で出会ったつらい秘密を抱えていた女性との物語。ちょっぴりつらい今日の向こうには光と音があふれていることを感じさせてくれます。だれもが涙せずにはいられない、切なく暖かい作品ですよ。

幼い頃から一番近くにいて、一番よく分からない存在である兄弟の関係と自分自身について考え直す物語。もどかしい関係にある高校卒業前後の、ルックスも性格も正反対の2人の兄弟が主人公の青春小説です。関西弁でサクサクとストーリーが進んでいくので、読書経験の少ない人でも気軽に読みやすいですよ。

兄を失ったことで時が止まってしまった主人公の亮太は、人が亡くなる小説ばかり読み漁る日々を過ごしていました。そんなときに出会ったのは、とある秘密を抱える天真爛漫な小春という女の子。辛い経験に立ち向かう2人の姿を明るく描き出した、笑いあり涙ありの温かい恋の物語です。

混雑した駅で出会った主人公と彼女。心も身体もすっかり馴染みきったある日、主人公は彼女が自分に近づいた本当の理由を知ってしまいます。ちょっと不思議な交流が生みだす、温かな心の触れ合いを描いた作品集。

舞台となるのは、学校崩壊状態の中学校。好き放題している不良たちに対して、教師は見て見ぬふりをしていました。主人公たちはそんな中学校の3年生で、とある出来事をきっかけに、いじめの対象にされてしまいます。

出会いがもたらす奇跡を描いた3作が楽しめる作品集です。退屈で仕方ない入院中の小学生・悪人を取材するマイペースな学生作家・転校したての中学生、出会いが人を変えていく三つの優しい物語。単行本初収録の「花曇りの向こう」は中学1年生の国語教科書に掲載された作品ですよ。

不自由で息苦しかった毎日、家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、与えてくれたものが確かにありました。「そして、バトンは渡された」「夜明けのすべて」の著者、瀬尾まいこの書下ろし長編です。

主人公は、ミュージシャンの夢を捨てきれずにいる無職の青年。ある日訪れた老人ホームにて、介護士が奏でる神がかったサックスの演奏を耳にします。それ以降ホームに通い始めた主人公が出会う人々と、音楽が生み出す希望の物語です。

引きこもりの小説家である主人公は、25歳の息子と一度も対面したことがありません。そんな折、突然家を訪ねてきた息子に同居生活したいと頼まれ、戸惑いながら一緒に暮らすことに。現実のどこかにあるかもしれないと思わせる、父子の関係を描いたあたたかい物語です。

伊坂幸太郎・瀬尾まいこ・豊島ミホ・中島京子・平山瑞穂・福田栄一・宮下奈都の人気作家たちが織りなす、競作アンソロジー。家族解散の日を描いた伊坂幸太郎「残り全部バケーション」をはじめ、7人が描く、再生の物語です。

この春に名字が変わった中学2年生の隼太。シングルマザーだった母が町で人気の歯医者と結婚してできた新しい父親は、ときどきキレてDVをする人でした。主人公の闘いと、成長していく姿を描いています。

瀬尾まいこの「運命の湯」をはじめ、柚木麻子の「残業バケーション」など6人の女性作家たちが描く傑作恋愛アンソロジーです。劇的やロマンチックな出会いじゃなくても、その人が求めていた王子様かもしれません。主人公たちがそれぞれ運命の相手に出会っていく様子を描いています。

友情や恋に悩み、将来への漠然とした不安に揺れ動く少年少女の姿を、読者の熱い支持を得ている7人の女性作家、角田光代・瀬尾まいこ・藤野千夜・椰月美智子・野中ともそ・島本理生・川上弘美が描いた作品です。いま10代、そして10代を通り過ぎたすべてのひとに贈る珠玉のアンソロジー。オール・オリジナル作です。

中学3年生の「僕」は、五穀豊穣を祈って子どもたちが家々を回って踊る伝統行事、「狐がえり」を成功させようと必死。少子化の進む田舎で「狐がえり」を成功させるには、東京からの転校生、三崎花子の参加は欠かせません。「僕」が三崎を誘い続けて、物語は進んでいく1冊です。