江國香織の名作小説のおすすめ人気ランキング

作家2人によるコラボレーション作品で、辻仁成が担当した男視点の物語「冷静と情熱のあいだ Blu」と対をなす、江國香織著作の女目線の物語です。恋人と穏やかで平和な日々を過ごす主人公は、10年前の熱い恋を忘れられずにいました。満ち足りた生活を送る中、かつての恋人とミラノのドゥオモで再会し、2人の感情は激しく揺れ動いていきます。

アルコール依存症の笑子と、同性愛者で恋人がいる睦月の奇妙な共同生活を描いた作品です。お互いのすべてに納得して結婚した2人は、セックスのない生活を送り、ときに傷付け合いながらも夫婦としての絆を保ちます。愛とは何かについて考えたいときにぴったりの小説です。

2004年に直木賞を受賞した短編集です。恋の終わりの悲しさを描いた表題作や、青春時代のほろ苦い初デートの記憶など、心に響く全12編を収録しています。読んでいるうちに、泣きたい気持ちに襲われてもきっと大丈夫だと前向きな気分になれる作品です。

恋愛の静かな狂気に囚われた母親と、傍らでゆっくり成長していく娘の姿を描いています。必ず戻るといって失踪した夫を愛し、彼のいない場所になじみたくないと引越しを繰り返す母親。非現実を生きる者と、現実を生きたいと願う者の静かな旅の物語です。

8年来の恋人と別れた主人公のもとに、その原因でもある女性・華子がやってきて、不思議な同居生活を始めます。主人公は元恋人のことを忘れられずにいながらも、華子が持つミステリアスな魅力につい惹かれていきます。奇妙な三角関係を、温かく切ないタッチで描いたユニークな作品です。

「いい人だけど、恋愛対象には絶対ならない」そんな言葉で思い出す誰かはいませんか？本作は純粋だけれど不器用な30代の兄弟を軸に、さまざまな人間模様を綴っています。女性にはモテないけれど、人生を楽しむ術を知っている彼らにふっと笑顔になるでしょう。

恋人と甘くゆるやかな時間を過ごす主人公と浮気の恋に夢中になっている親友の、対極的な2組の恋人たちを描いています。登場人物たちの心の葛藤が、江國香織らしい文章でテンポよく紡がれている長編ラブストーリー。東京を舞台に繰り広げられる、さまざまな恋の形を楽しめるでしょう。

夏の記憶を思い起こし、懐かしい気分を味わいながら読める本です。少女たち11人の秘密の思い出とともに、ビニールプールの感触・アイスの木べらの味・すいかの匂いなど、五感で感じる夏を見事に表現しています。短編集なので、一つひとつの物語をさらっと読み切れるのも魅力。

あらゆる事柄に揉まれて生きるそれぞれの人生の中で、愛だけは確かであると感じられる物語が詰まった1冊。第15回山本周五郎賞を受賞した、江國香織の作品です。10人の女性が登場人物となり、誰かを愛することで起こる歓喜、苦悩などの感情が描かれています。

主婦・モデル・OL・編集者など、さまざまな状況で生きる9人の女性たちの恋を描いた恋愛群像劇。落ち込んでも、恋に絶望しても、それでもまた恋を始める女性たちを力強く表現しています。

新しい恋人がいても、元恋人への想いがじわじわと膨らんでしまう女性を描いた表題作「ぬるい眠り」他、全9編を収録。江國香織の魅力を凝縮したような、贅沢な短編小説集です。恋愛小説「きらきらひかる」のその後を描く短編も見逃せません。

35歳の歯科医、桃は、入籍間近と思われていた恋人と別れ9歳下の鯖崎と付き合い始めます。しかし、鯖崎は桃の親友にも興味をしめし、一方、桃は別れた恋人と再び会ってしまいます。年齢も境遇も異なる男女たちを通して恋愛、孤独、結婚の赤裸々な姿が浮かび上がってくる1冊です。

画家であり、恋愛にどっぷり浸かっている38歳の「私」。一人暮らしの彼女を訪ねてくるのは、妻と子どもがいるやさしい恋人とのら猫、そして記憶と絶望でした。完璧な恋のゆく果てを描いた、美しく切なく狂おしい恋愛長編作品です。

家で本ばかり読んでいる50歳の稔は、資産家で気ままな1人暮らし。本好きの娘・波十は、元恋人の渚と暮らしており、ときどき会いにやってきます。なかなか暮れない、孤独で切実な愛すべき男女と、頁をめくる官能や幸福を描いた長編小説です。

2人だけにしか聞こえない声を聞くことがある双子の姉妹、千奈美と真奈美。そして事故で死んだはずの謙人は、気がつくと数百年前の見知らぬ家の中に佇んでいました。時代も場所も生死の境界をも飛び越えてゆるやかにつながっていく、100人を超える彼らの日常を描いたちょっぴり不思議で愛おしい物語です。

ピュアですてきな少年少女たちを描いた、中編2作品を収めた1冊。表題作の「こうばしい日々」は、アメリカ東部の小さな町を舞台に11歳の男の子が過ごす何気ない毎日を綴った物語です。日本を舞台に恋愛について描いた作品「綿菓子」も収録されています。