結構きつい論文掲載費
多くの雑誌では論文が掲載された際に論文掲載費が必要となる。ポスドクまでは論文掲載費を気にしたことが無かったのだが、自前の研究費のみで研究をするようになってからは論文掲載費に対してかなりシビアになった。論文投稿先を考えるときに「論文掲載費」という新たなファクターが誕生したのである。
論文掲載費は雑誌やその出版形態によってまちまちである。無料のところもあれば、Open Accessの一流どころだと60万程度かかるところもある。分野によっても違うのだろうが、私の分野の場合、それなりの格のある雑誌に出せばOpen Accessでなくても10万前後かかることもある。そのため投稿先を決めるときにデータのインパクトだけで無く、論文掲載費についても考慮することが必要になった。
科研費などに採択されているような研究の場合はそれなりに資金があるので、あまり迷うことはない。しかし、それでも論文掲載費という訳のわからない(ことはないのだが)ものに消えるのであれば、実験の試薬などに使いたいというのが本音だ。
一番困るのは科研費などに採択されていないが、地道にその他の研究費で行っているがそこそこのインパクトのある研究である。今まさにもうすぐ原稿を書き上げるその手の論文があるのだが、とうとうこの日が来たかという思いである。それなりのインパクトではあるが、投稿先については熟考せざるを得ない。おそらく格を落としてでも掲載費が無料の雑誌に投稿することになるのであろう。共著者も雑誌のインパクトファクターよりもこの論文の引用数で勝負すれば良いと力強い言葉をかけてくれた。しかし、日本の様々な審査でも引用数などを考慮してくれているのであろうか?という思いもある。
世の中には雑誌の格にこだわり、自腹を切って、つまり自分の給与から10万以上の掲載費を払ったという人もいることを知っている。私は安い給料(ポスドクよりは良いので安いと言ったら怒られるかもしれないが)なので、家族のことを考えるとそれはできない。その程度の思いと言われたらそれまでだが、自腹を切ることが必ずしも賛美されることとは思わない。
オチとしては今年度はあらゆる論文に対して投稿先を熟考せざるを得ないということである。と同時に、現在リバイス中の論文の掲載費は手元にある資金で足りるのだろうか...と不安である。自腹は嫌だ。
以上。