みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

wrong horses road out

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 今週、21年来の知人が来るのだが、なんだか憂鬱である。金はないし、兵糧も乏しい。きょうはシナリオ・センターから添削が届いたので見ていた。作中で異界というものをなんの説明もなしに登場させたのが、いけなかった。寺山修司監督『田園に死す』のノリで、どうにも世界と異世界とが混じりあう場面を書いてしまう。次はもうちょっと考えて書こう。とりあえずはとうの昔に売ってしまった『田園に死す』のシナリオ本を買い戻すことだ。

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 音楽についていくつかの勇み足。「Don't call me "the past"」という曲からBメロを削除して5分の曲にしたが、3番のBメロだけ戻した。正直、この曲については持て余している。アルバムに入れるかどうか。そもそも、10年もまえに書いた曲をいまさらアルバムにしようとする、じぶんがおかしいんじゃないかとおもう。10年まえに8曲デモを録音して、6年まえに新曲ふたつ、既存を3つ録音して、いまは9曲入りのアルバムを考えている。ギターレッスン、ベースレッスン、機材蒐集、録音スタジオ、ココナラの外部のミュージシャンたち、めぼしはつけてあるが、熱量が上がらない。どいうしても音楽したいという欲求にならない。

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 落馬する夢、夢のはざまを飛ぶ琴鳥のような書物。われわれはわれわれを解さない。他人との離陸は、墜落するだけの欲望だ。おまえの躰はもう飛べない。そんな声がする。夢のなかで始まった責任がどこで着地するかを見誤って、競技用ボートのなかで新生児になまえをつける作業。愛のない躰がおれを呼ぶ、──そうして夢から醒めて信じるべきものがなにもないと気づく。

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