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ツケ払えない女性を風俗店に 悪質ホストを「論破」した裁判長の言葉

歌舞伎町にはホストクラブが急増している=東京都新宿区で2023年11月29日、猪飼健史撮影
歌舞伎町にはホストクラブが急増している=東京都新宿区で2023年11月29日、猪飼健史撮影

 東京・歌舞伎町のカリスマホストの一人だった男性(28)が2024年6月に逮捕され、被告の立場となった。

 女性客に高額な売掛金(ツケ)を背負わせ、返済のために性風俗店で働かせていた。

 男性は法廷で「お客さまとの夢の実現のため」だったと動機を説明した。

 そんな男性に、裁判長は静かに問い掛けた。「生身の人間を土台にする夢とは、どんな夢ですか」と。

きっかけは「路上ナンパ」

 男性は、大学在学中にホストとしてデビュー。勤務する店のSNS(ネット交流サービス)によると、男性は店の「代表」で、月間の売り上げは個人で「7500万円オーバー」と豪語している。

 ホストを取り上げるテレビにも出演し、「大金を使う行為は不安なこと。だからこそ『使っても大丈夫』という納得のいく理由を(客に)伝える言葉の説得力は、誰にも負けない」と独自の職業観を語っていた。

 事件が表面化したきっかけとなったのは、同じホストクラブに勤務する男性の弟(26)の「路上ナンパ」だった。

 ナンパの相手は当時19歳の女性。22年10月ごろから男性のホストクラブへ通い始めた。

 女性は焼き肉店の従業員だった。膨れ上がった売掛金を支払うことができず、より高収入の仕事を求めて男性の弟に相談した。

 弟は、兄の男性に話を持ちかけ、男性が旧知の風俗店スカウトにつないだ。

 女性は埼玉県川口市の性風俗店で働くようになり、より高い報酬を求めて、大分県別府市の性風俗店へ「出稼ぎ」していたという。

心の痛みはあったが……

 男性は、二つの罪に問われた。

 一つは23年1~2月、女性を売春させる目的で、性風俗店に紹介したとされる職業安定法違反(有害業務の紹介)。

 もう一つは23年3~5月、風俗店側から紹介料として支払われる「スカウトバック」約40万円を受け取ったとされる組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)だ。

 業界の慣習とされるスカウトバックで組織犯罪処罰法違反に問われた初のケースだった。

 24年10月下旬、…

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