1998年に沖縄の新聞社に転職した当時、それまで勤務していた全国紙で使わなくなっていた「革新」という選挙用語が、沖縄では他の言語に置き換えられない形で脈々と息づいているのに接し、驚いた記憶がある。沖縄の政治空間は今も本土とは異なる。実際、10月の衆院選でも小選挙区で全国唯一、共産党と社民党が議席を確保した。
米軍駐留から派生する人権上の課題が突出している沖縄本島では、本土の系列下にある既存政党への不信もくすぶる。一方、軍事が地域社会に直接的な変化をもたらしているのが、台湾に近い南西端に位置する八重山列島だ。
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