人気ブランドパタゴニアでスト 「働く権利ないがしろ」の訴え

パタゴニア店舗前で「スト決行中」の看板を掲げたパタゴニアユニオンのメンバー=札幌市内で2023年12月23日(札幌地域労働組合提供)
パタゴニア店舗前で「スト決行中」の看板を掲げたパタゴニアユニオンのメンバー=札幌市内で2023年12月23日(札幌地域労働組合提供)

 大手アウトドア用品メーカー「パタゴニア」の店舗前で昨年12月、「スト決行中」という看板が立てられた。寒空の下、雇用の継続を訴え1人の従業員がマイクを握っていた。パタゴニアとの間で問題となったのは、有期契約の従業員でも勤務期間が通算5年を超えると無期契約に転換できるというルールの運用方法だ。このルールの施行から10年が経過したが、労使間でトラブルは絶えない。

 ストライキを決行したのは、パタゴニア札幌北店でパート職員だった藤川瑞穂さん(52)。販売スタッフとして働いていたが、勤務期間が5年を迎える4月を前に昨年末で雇い止めに。昨年12月23日、札幌地域労働組合の支援を受けて1人でストライキを起こすことを決意した。

 当日は最高でも氷点下3・7度。藤川さんはかじかむ手でマイクを握りしめ、働き慣れた店舗に向かって「パート従業員は会社の土台を支える人員だ」などと訴え、雇い止めの撤回を求めた。

 藤川さんはもともと、パタゴニアが目指す環境や人権問題に取り組む姿勢にひかれ、2019年4月に入社した。勤務は1日8時間、週2日ほど。半年ごとに雇用契約が更新されてきたが、昨年4月に店舗マネジャーから昨年末での雇い止めを告げられた。

 ストライキにまで発展した一因には、パタゴニア特有の雇用システムがある。…

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