特集

Deep-M

「失われた30年」と言われるニッポン。社会に横たわる難題はなぜ解決されないのか。毎日新聞の調査報道がその本質に深く迫ります。

特集一覧

読む政治

狙いは国民民主か産別か 矢田氏を首相補佐官に 岸田政権、起用の妙

辞令交付後、記者団の取材に応じる矢田稚子首相補佐官=首相官邸で2023年9月15日午後3時33分、竹内幹撮影
辞令交付後、記者団の取材に応じる矢田稚子首相補佐官=首相官邸で2023年9月15日午後3時33分、竹内幹撮影

 岸田文雄首相は15日、首相官邸でパナソニック社員で元国民民主党参院議員の矢田稚子(わかこ)氏(57)と会談し、賃金・雇用担当の首相補佐官に任命した。自民、公明、国民民主の3党連立樹立を模索してきた政権は、労働組合の電機連合出身の矢田氏起用で民間労組や国民民主との距離を縮め、連立構想実現への布石とする狙いがある。一方、民間労組を国民民主から引きはがす「選挙戦略」の一面もあり、野党からは野党分断を警戒する声が上がった。

官邸関係者「民間人と言い張れる」

 「ちょっとそこは関知をしていない。一民間人としてあくまでもお引き受けをした。働く人の声を国政にしっかりとつなぎたい」。首相との会談後、記者団から3党連立構想との関連を問われた矢田氏は、繰り返し「民間人」の立場を強調した。

 矢田氏は今月8日まで国民民主の顧問を務めていた。官邸関係者は「元国民民主の議員でも今はパナソニックの一社員。政権としても民間人と言い張れる」と今回の起用の妙を解説する。

 国民民主の連立入り構想は、自民党の麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長が中心になって水面下で進めてきた。今年9月に国民民主の代表選で連立に前向きとされる玉木雄…

この記事は有料記事です。

残り1853文字(全文2352文字)

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月