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関東大震災100年

1923年9月1日に発生し、10万人を超える犠牲者を出した関東大震災。100年後を生きる私たちが学べることは。

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関東大震災100年

痕跡を訪ねる 千葉・館山 蓮寿院石塔 津波9メートル、教訓生きる 元禄地震の被害刻み供養 /東京

蓮寿院に残る「元禄大地震津波の犠牲者供養」石塔。元禄地震の言い伝えが関東大震災で生かされた=千葉県館山市相浜で
蓮寿院に残る「元禄大地震津波の犠牲者供養」石塔。元禄地震の言い伝えが関東大震災で生かされた=千葉県館山市相浜で

 千葉県館山市の海には関東大震災で9メートル超の津波が襲来したとされる。しかし、犠牲者は少なかった。住民を守ったとされるのは同市相浜地区の「蓮寿院」にある一つの石塔だった。

 1923年9月1日正午前。推定震度7の激しい揺れが千葉県館山市を襲った。数分後、同地区に近い海では海水が沖へ一気にひいた。海水がなくなった海岸線から沖合だったところには、魚などがいくつも落ちていた。それらを「拾い放題だ」と若者たちが集まったという。そんな時だ。周囲から怒声が飛んだ。「何をやってるんだ。逃げないと駄目だ」――。

 蓮寿院の町田達彦住職(72)が40年以上前、地区に住む複数のお年寄りから聞いた関東大震災発生時のエピソードだ。「家屋が流されていくのを高台から『さようなら』と言って見送った」。こんな話も耳にしたという。

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