MeeGoがモバイルLinuxのLiMoと合体し「Tizen」に、最初のリリースは2012年Q1。開発者からは批判も
Linux FoundationとLiMo Foundationは9月27日、新プロジェクトを「Tizen」を立ち上げ、それぞれのモバイルLinuxの取り組みを合体させると発表した。最初のリリースは2012年第1四半期を目指すという。
Tizenは、Linux Foundationがホスティングする「MeeGo」とLiMo Foundationの「LiMo Platform」を合体させる最新のモバイルLinuxプロジェクトとなる。ホスティングは継続してLinux Foundationが行い、MeeGoと同様にタブレット、ネットブック、スマートフォン、スマートTV、IVI(車載用インフォテインメント)をターゲットとする。運営委員会は米Intelと韓Samsungのメンバーで構成する。
事実上MeeGoを置き換えるものとなるが、新プロジェクトのフォーカスとしてWebとHTML5を強調している。これら標準に基づくAPIを持ち、Webベースのモバイルアプリ共通化団体Wholesale Applications Community(WAC)の仕様もサポートするという。メッセージングやマルチメディア、カメラ、ネットワーク、ソーシャルメディアなどさまざまな機能をカバーするAPIを提供する予定で、ネイティブコード開発者向けにはネイティブ開発キットを用意する。MeeGoの主要技術となっている「Qt」についてはプレスリリースでは言及されておらず、現時点ではQtからのTizenに関する発表はない。
初版のリリースは2012年第1四半期とのことで、SDKも同時期にリリースする。
2010年2月に発足したMeeGoは1年8ヶ月で名称変更となった。MeeGoはもともと、米Intelの「Moblin」とフィンランドNokiaの「Maemo」をマージさせたもので、プラットフォームはAtomとARMをサポートする。その後、Nokiaが戦略を変更して「Windows Phone」を採用することにしたため、プロジェクトは打撃を受けた。
今回のTizenを告げるMeeGoのブログには、「ばかげている」というコメントが目立つ。HTML5へのフォーカスについても、その方向性に懐疑的なコメントが書き込まれている。