突然だが、あなたは「千三つの法則」をご存知だろうか?例えば広告を1000部出したとしたら、3人の顧客を獲得できる(0.3%の反応率)という法則だ。
0.3%と言うと、悪い数字だと思われるかもしれないが、実際は、安い広告で、この反応率を取れたら、会社は十分に成長していく。
しかし、顧客管理を徹底すると、これよりも遥かに高い結果を、簡単に出せるようになる。
例えば、以前担当した、ある案件では、獲得した1863の顧客リストのうち、129名が、実際にお金を払ってくれるお客さまになった。反応率に直すと、6.92%になる。
これは、0.3%の23.6倍の数字だ。
なぜ、これだけの反応率が出るのか?それは、売れるセールスマンがやっているように、見込み顧客のリストをしっかりと管理して、教育をしてから、商品をオファーしているからだ。
そこで、本日は、売れるセールスマンが実践している「23.6倍の反応を引き出す顧客リスト管理の5つの秘訣」をご紹介する。ぜひ、参考にして欲しい。
目次
1.見込み客(リスト)は4種類に分けて管理しよう
ひとくくりに「見込み客」と言っても、その中には、購買意欲の高い人から、商品にはほとんど興味がないという人まで、様々な人たちがいる。
そして、見込み客を購買意欲で分類すると、以下の4つに分けることができる。
これらを理解しておくことによって、それぞれの見込み客に適切なタイミングで、適切なアプローチができるようになり、見込み客一人当たりの収益率が飛躍的に改善される。
そのためにも、まずは、この4分類をしっかりと覚えておこう。
一つずつご説明する。
- いますぐ客:
最も理想的な見込み客。あなたの商品を欲しいと思っており(ウォンツ)、また、必要としている(ニーズ)ので商品をオファーすれば確実にクロージングまで持っていくことができる。 - おなやみ客:
商品の必要性(ニーズ)は感じているが、何らかの理由があって、「欲しい!」という気持ちになっていない。その理由は、競合商品と迷っていたり、価格に抵抗があったりなど様々。 - そのうち客:
商品に興味はあるが、「絶対に必要か?」と言われると、そうでもないという状態。無料サンプルの請求者などで獲得できる見込み客は、この段階から始まる。 - まだまだ客:
まだまだ必要性(ニーズ)も欲求(ウォンツ)も感じていない状態。まだ商品のことも、全く知らないか、ほとんど知識がない。
もし、あなたが、上記の4種類の見込み客に、同じオファーをしたとしたら、売上の8割は「いますぐ客」から生まれる。また、残りの2割は、「おなやみ客」と「そのうち客」から生まれる。
一方、「まだまだ客」には、何を提案しても、商品は買わない。
そして、これは非常に重要なことなのだが、「いますぐ客」以外の見込み客リストに売り込みをかけると、クレームを受けることになり、リストから離脱していってしまう。つまり、本来、お金を払ってくれるお客になるはずだった人を手放してしまうことになる。
ほとんどの場合、獲得したばかりの見込み客リストは、「まだまだ客」か「そのうち客」に分類される。ごく稀に、最初から「いますぐ客」の状態の人もいるが、確率は雲を掴むほど低い。
つまり、多種多様な商品やサービスが乱立している現在では、「いますぐ客」を獲得する最善の方法は、「まだまだ客」「そのうち客」「おなやみ客」の三者を、「いますぐ客」の状態になるまで教育することだ。
2.見込み客リストを教育しよう(リードナーチャリング)
もし、一切リスト教育をしていない場合、あなたの見込み客リストは、以下のように、必要性も欲求も感じていない「まだまだ客」が大半という状態になっている。
リスト教育をしていない場合のリスト内わけ
このようにリストを教育していない状態では、どれだけうまく商品をオファーしたとしても、売上はほとんど生まれない。
それでは、あなたの見込み客リストが下図のような状態になっていたらどうだろうか?
リスト教育をしている場合のリスト内わけ
「いますぐ客」が多いこのときに、商品をオファーすると、爆発的な売上をあげることができることは容易に想像できるだろう。
このように、手持ちの見込み客リストの中で、「いますぐ客」の割合を増やすことが、リスト教育(リード・ナーチャリング)の目的だ。
それでは、どうすれば、「まだまだ客」を「いますぐ客」へと変えることができるのだろうか?そのための方法は、たったの2つだけだ。
- ニーズ(必要性)を感じてもらうための「ニーズ教育」を行う
- ウォンツ(欲求)を感じてもらうための「ウォンツ教育」を行う
ニーズ教育とウォンツ教育
上の図のように、ニーズ教育とウォンツ教育を行うことによって、「いますぐ客」リストを意図的に増やすことができる。
それでは、それぞれの教育方法を具体的に見ていこう。
3.必要性を感じて貰うためのニーズ教育をしよう
ニーズとは、言い換えると「必要性」のことだ。そしてニーズ教育とは、「あなたの商品が切実に必要だ」と感じてもらうことを言う。
そのためには、不確実性原理を知っておくことが重要だ。
不確実性原理
ある行動に対して何らかのリスクが存在するとしても、そのリスクが、確実に今すぐ現れるとは限らない(不確実な)場合、人は、そのリスクが存在しないものとして行動するという原理。
詳しく説明しよう。例えば、禁煙を考えてみて欲しい。
喫煙者の誰もが、タバコには発癌のリスクがあることを知っている。それでは、なぜ禁煙をしようとしても失敗してしまうのだろうか?その最大の理由は、今、禁煙しなくても、すぐに健康を害することはないからだ。
この場合、人びとのニーズを高めるためには、今すぐに確実なリスクを与える「反面下活動」というテクニックが効果的だ。
例えば、2010年の10月から11月にかけて禁煙挑戦者が大幅に増えたことがある。当時のジョンソン&ジョンソンの調査によると、なんと喫煙者の37%が禁煙に挑戦したのだ。この時、一体、何が起こったのだろうか?
そう、たばこ増税により、たばこの価格が100円値上がりしたのだ。
たばこは健康に悪影響を与えるという将来的なリスクに、更に、100円値上げという今すぐにダメージを受ける金銭的リスクが加わり、禁煙の必要性(ニーズ)が急激に増した。
つまり、ニーズ教育とは、行動しないことによって発生する将来的なリスク(不確実なリスク)を、今すぐに発生するリスク(確実なリスク)に変えることを言う。すると、見込み客は、動揺して、心のバランスを崩す。そして、心のバランスを元に戻すには、行動するしかない状況になる。こうして、初めて、人は行動を起こすようになるのだ。
こうやって、「反面下活動」というテクニックを使うことによって、「まだまだ客」は「おなやみ客」になり、「そのうち客」は「いますぐ客」に変わる。
4.欲求を感じて貰うためのウォンツ教育をしよう
私のセールスの経験から言うと、「いますぐ客」に商品をオファーすると、8割方クロージングすることができる。しかし、商品の必要性(ニーズ)はあっても、欲求(ウォンツ)を感じていない「おなやみ客」の場合は2割程度しか成功しない。
その理由は明らかだ。例えば、勉強嫌いで成績の悪い高校生を考えてみよう。
良い大学に行くために勉強の必要性(ニーズ)は分かっている。でも、勉強に気が入らず、やる気がない・・・。この状態の学生に、どれだけ素晴らしい学習教材を売ろうとしても、成約の見込みがほとんどないのはお分かり頂けると思う。
それでは、どうすれば、この学生は、あなたの商品を欲しいと思ってくれるのだろうか?それを知るには、まず、人がお金を払ってまでモノを買う理由を知っておくことが重要だ。
それは下記の2つだ。
- 快楽:欲しくて欲しくてたまらなかった快楽を得るため
- 苦痛:今すぐに逃れたい苦痛から解放されるため
心の中で、この2つの欲求が明確になったときに、人はどれだけお金をかけてでも、商品を手に入れようとする。つまり、欲求(ウォンツ)が高まるのだ。そのためには、具体的に、今すぐに行動するメリットと、今のまま何もせずにいるデメリットを教えてあげると良い。
例えば、次のように・・・。
- 快楽:
この学習教材使用者の8割が、たったの半年の勉強で東大に合格しました。 - 苦痛:
アンケート調査によると、第一志望の大学に合格できるのは、全受験生の1割だけ。残りの9割は、もっと勉強していれば良かったと後悔しています。
そう、快楽と苦痛を刺激することで、「まだまだ客」は「そのうち客」になり、「おなやみ客」は「いますぐ客」になるのだ。
このように、商品を欲しくさせるウォンツ教育と、「その商品が今すぐに必要!」というレベルまで高めるニーズ教育を行うことによって、あなたの顧客リストは、「いますぐ客」だらけになる。
5.適切なリスト管理(リードマネジメント)を行おう
それでは、このリスト教育(リード・ナーチャリング)を効率的に行うには、どうすれば良いのだろうか?答えは簡単だ。リードのセグメンテーション(振り分け)をすれば良い。
例えば以下は弊社で担当している、バズ部以外の案件のセグメンテーション法だ。
- まだまだ客:
ブログから獲得した顧客リスト。獲得後、メールマガジンで一週間「ニーズ教育」を行う。 - おなやみ客:
ブログから獲得した後、「まだまだ客」のうち、一週間のニーズ教育を終えた顧客リスト。ここから更に一週間、「ウォンツ教育」を行う。 - そのうち客:
ランディングページから獲得した顧客リストや、お問い合わせフォームから獲得した顧客リスト。獲得後、一週間の「ニーズ教育」を行う。 - いますぐ客:
一週間のウォンツ教育ステップを終えた「おなやみ客」 と 一週間のニーズ教育ステップを終えた「そのうち客」の合計。ここから、商品デモや、費用対効果分析などの商品教育を一週間行い、商品をオファーする。
このように顧客リストの獲得先をもとに、「まだまだ客」か「そのうち客」かを振り分けている。
そして、「まだまだ客」は、「おなやみ客」→「いますぐ客」という順番で教育している。また、「そのうち客」には、ニーズ教育だけをして、「いますぐ客」へと変えている。そして、「いますぐ客」リストには、商品の教育を行い、商品をオファーしている。
これらの工程を、メールマガジンのステップメール機能を使って自動化することで、全ての見込み客を、「いますぐ客」に育てている。
もし、あなたが、このようなリスト管理(リードマネジメント)システムを持っていないなら、メールマガジンのステップメール機能を使って、是非実践してみて欲しい。売上が、最低でも倍増することをお約束する。
まとめ
私は、担当商品の顧客管理(リードマネジメント)システムを、メールマガジン配信システムを使って、このように変えることで、どのような商品でも、安定して10%〜15%のクリック率を出せるようになった。
これは、平均的なメールマガジンの10倍以上の反応だ。
そして、見込み客の反応率に比例して、商品の売上も上がる。つまり、商品自体も10倍売れるということだ。ぜひ、このシステムを、あなたのWEBマーケティングにも取り入れてみて欲しい。