2024年 12月 16日
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KADOKAWA 角川スニーカー文庫
◆ 涼宮ハルヒの劇場 /谷川流 -
涼宮ハルヒシリーズ4年ぶりの新刊。その前の巻は14年前なので、今回は早いな。
で、久しぶりの『ハルヒ』だけど、収録されている短編4本のうち、2本は約20年前!?の「ザ・スニーカー」掲載分で、残り2本が書き下ろし。「ザ・スニーカー」の短編2本はファンタジー世界やSF世界を舞台にした、ほとんど公式の二次創作みたいな内容なのだけど、これを書き下ろしを追加することで、きちんと『ハルヒ』本編に組み込んでくるのは凄い。さすが上手い。
まあ、ハルヒがファンタジー世界やSF世界でいつも通り暴走してても、正直、あまり面白くなくて、それが俄然面白くなってくるのが、書き下ろしパートになって、長門と古泉が解決に向けて議論をはじめてから。ああ、こうやって量子論とかぶっ込んでくるのが『ハルヒ』だわ。すげー面白い。でも、やっぱ量子論をこう扱うとなんでもありなので夢オチなみにちょっとアレだし、結局、誰の攻撃なのか全く提示されてないので、ちょっとなぁ。これは今後に繋がるの、か?
それにしても、昔から長門が凄すぎて長門がいれば他はいらない、みたいなシリーズだったけれど、朝比奈さんの存在感の薄さが酷い。ここまで存在感なかったっけ? 完全なマスコット扱いなのでアニメでイラスト付きなら印象変わるんだろうけど、小説だとシンドイな。
[ 涼宮ハルヒ ]
2024年 11月 26日
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SBクリエイティブ GA文庫
◆ りゅうおうのおしごと! 盤外編(2) /白鳥士郎 -
本編は残り一冊と大詰めですが、ここで外伝。特定の店舗で購入者特典として配られたSSに、ドラマCD、あとは書き下ろしの短編という構成。本編に比べてやたらコミカルで、シリアスな本編の幕間として読むにしても違和感が凄い。まあ、10巻に続く、とか、5巻に続く、とか、すでに話が古すぎて、どのエピソードの間に挟まるのかも、よくわからん感じになってるけどなー。
まあ、店舗特典のSSだったり、ドラマCDだったりするので、良くも悪くも中身がないなー。もちろん意図的なんだろうけれど。しかし、こういうコメディだと、シャルちゃんが強いねー。
[ りゅうおうのおしごと! ]
2024年 11月 4日
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KADOKAWA MFブックス
◆ 忘れられ令嬢は気ままに暮らしたい(1) /はぐれうさぎ -
「カクヨム」で好きな作品 の書籍化っ。転生幼女のスローライフものといっていいかしら?
物語は、父の公爵が悪女と名高い王妹と再婚しなければならなくなったため、辺境の屋敷に住まいを移した公爵令嬢の幼女フェリシア。しかし、屋敷に来るはずの家人が来ず、また、フェリシアは自分を厄介払いされてもおかしくない庶子と思い込んでいたため、そのまま一人で生きていくことに……。
子供が辺境に捨てられて一人で生きていくと言う物語はよく見るパターンの一つだけど、この作品はいい意味で派手さがなく淡々としてるんだよね。行き違いで家人がいないだけなので、生きていくのにチートに頼ることなく、割と淡々と生活環境をいったり、屋敷に閉じこもっているため人間関係も希薄だしねー。
だからなのか、書籍版では、後半でわりと物語の根幹に関わりそうなイベントを追加しているけれど、今後の展開はどうするのかなー。一応、転生者なので、もうちょっとチート要素を追加しても、良さそうな気はしなくはない。Web版のように薬草の栽培メインでたまに魔法の研究しているだけだと、ちょっと対応できる感じはしないよなー。
[ 忘れられ令嬢は気ままに暮らしたい ]