心が軽くなる、ヘヨカのセカンドオピニオン

アメリカの視点を中心に、人間関係で悩んでいる人に、異なる視点でモノの見方をお伝えします。

ルイジについて思うこと:アメリカのアンチヒーロー Luigi Mangione(ルイジマンジオーネ)

衝撃的な事件

アメリカで大きな話題となっている事件についてお話しします。

ユナイテッドヘルスケア(アメリカ最大手の健康保険会社)のCEOが、ニューヨークで射殺されました。容疑者として逮捕されたのは、26歳のルイジ・マンジオーネ。彼は今、アメリカでアンチヒーローアウトローヒーロー)として注目を集めています。

 

ルイジ・マンジオーネとは?

彼の経歴は、エリートそのものでした:
- メリーランド州の裕福な家庭出身
- 名門私立学校の首席卒業生
- アイビーリーグ大学卒業
- コンピューターサイエンス分野で活躍する20代の若者

 

事件の背景

逮捕時、彼が所持していたメモには、アメリカの医療保険システムへの強い批判が記されていました。UnitedHealthcareの利益追求体質や患者対応を「寄生虫的」と非難。背中の怪我と脊椎手術の経験が、彼の行動を引き起こすきっかけになったとも指摘されています。

 

なぜ彼がアンチヒーローアウトロー的ヒーロー)として支持されているのか?

- SNSで圧倒的な支持を獲得
- 容姿(ハンサムで体格が良い)も話題に
- アメリカの医療システムに立ち向かった「正義」として見られている
- TikTokでは彼を題材にした歌も登場

 

www.newyorker.com

 

アメリカと日本の医療システムの違い

日本では、国民皆保険制度により誰もが医療保険に加入し、医療費の自己負担はせいぜい30%。高額医療費制度もあり、負担の上限が定められています。

一方で、アメリカの医療システムは全く異なります:
- 健康保険の加入は任意
- 会社の福利厚生として提供される場合も、されない場合も
- 保険に加入していても高額な自己負担
- 保険申請が却下されるケースも多数
- 医療費による自己破産も珍しくない
- 子どもの治療費のために寄付を募るケースも日常的

 

アメリカの職場では、同僚が「娘(息子)が病気になって。。」とオフィスを歩き回り寄付を募っている人もよくいました。

 

ちなみにUnitedHealthcareは、保険申請が却下される確率が高くて有名とのこと。

 

ルイジと同じように、アメリカの医療システム、ユナイテッドヘルスケアのサービスに不満を感じていた人も多いはずです。

 

 

ルイジの日本旅行

彼は2024年に複数回来日し、SNS上で日本について感想を投稿していました。

 

最初の印象:好意的
- 日本文化への強い関心
- 日本への愛着

 

滞在を重ねるうちに変化した印象:批判的
- 日本を「NPC-ville(NPCの街)」と評し、自由意志の欠如を指摘
- 「人間という動物種にとって進化的にミスマッチ」な都市環境だと批判
- 人口減少問題への独自の解決策を提案:
  - 性具の禁止(TENGAを例に、大人のおもちゃの禁止)
  - 回転寿司のベルトコンベアをウェイターに置き換えて人間交流を促進
  - ゲームカフェを学校の運動施設に転換
- 規則に縛られすぎる社会への違和感(警察官が横断規則を守り、発作を起こした人の救助を躊躇したエピソードなど)

 

外国人から見た日本の不気味さ

実は、多くの外国人訪問者が似たような印象の変化を経験します。最初は「清潔」「便利」「フレンドリー」といった好印象から始まり、深く知るにつれて「不気味さ」を感じ始めるのです。

主な不気味さのポイント:
1. アイドル文化への懸念
   - 幼い外見のアイドルに大人が熱狂する文化
   - メイドカフェなどの存在

2. 「NPC的」な同調性
   - 自主的な判断より同調を重視する傾向
   - 過度な従順さ

NPCとはNon Player Characterの略で、自分の頭で考えない人のことを言います。

 

3. 謙遜文化への違和感
   - 褒められても否定する習慣
   - 海外の「素直に受け入れる」文化との違い

私が関わってきた外国人は、「綺麗だ」と声をかけても、「そんなことないです」と返事が返ってくる事に異常なほど驚いていました。

 

ルイジのニュース、投稿をきっかけに、日本人がどのように外国人から見られているのか、改めて思い出しましたので、書き留めておきました。